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優勝争いもたけなわ。今年の大相撲九州場所(福岡国際センター)は土俵の内も外も大盛況。なにしろ入場券は初日から完売の“札止め”で、満員御礼の垂れ幕が天井から下がりっぱなし。若貴フィーバーに沸いた1996年以来、28年ぶりの活気に沸いている。

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「先に場所に乗り込んだ先発の親方たちでさえ“どこかに切符は余っていないか”とあちこち飛び回っているよ」(相撲協会幹部)

おかげで、大いに株を上げたのが今年から九州場所の総責任者、担当部長に就任したばかりの浅香山親方(52、元大関魁皇)だ。

九州場所は入場券販売を手伝ってくれるお茶屋がなく、相撲協会単独の自主興行のため、昔から入場券が売れ残り、客が入らないことで定評があった。

「新大関の大の里をはじめ、若手力士が次々に台頭し、相撲そのものが面白くなったこともありますが、浅香山親方は地元・直方市出身の大ヒーロー。直方駅前には実物大の銅像が立ち、直方市と博多間には『かいおう』という名前が付いた特急列車まで走っているんですから。浅香山親方も今年9月末には地元球団、ソフトバンクホークスの試合で背番号160をつけて始球式をするなど、PR活動に東奔西走。連日の大入り満員は浅香山親方の“努力の賜物”と言われています。これで協会内の存在感が高まり、定年まで理事の座は安泰でしょう」(協会関係者)

宮城野親方の部屋復活は来年?

それに引き換え、すっかり影が薄くなったのが、同じ伊勢ケ浜一門で、一時は浅香山親方の対抗馬として理事選に立候補を模索していた宮城野親方(39、元横綱白鵬)だ。

「今年1月の暴行事件で部屋は閉鎖され、いまだに弟子ともども伊勢ケ浜部屋に預けられたまま。部屋復活は、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が定年になる来年の夏場所後あたりに許されるのではとみられているが、あくまでウワサの段階です。宮城野親方は常連だったNHKの相撲解説にも呼ばれることなく、担当の記者クラブで静かにしていますよ」(大相撲担当記者)

栄枯の風が身にしむ晩秋を迎えている。

「週刊実話」12月5・12日号より