年末らしい大盤振舞なムーブメントが起きている。SNSの「X」にて突如、流行している“1年分プレゼント”キャンペーン。各企業がこぞって企画をしているが、これはいったい何なのだろうか。
「毛ガニ1年分」「靴1年分」…謎のプレゼント企画
現在、X上で非常に多くの“1年分プレゼント”キャンペーンが席巻している。大半の応募方法は、そのアカウントをフォローして、該当のポストをリポストするだけ。
「カラーコンタクト1年分」「ゲームの課金1年分」「アクセサリー1年分」「毛ガニ1年分」「香水1年分」「お洋服1年分」「靴1年分」などなど、その内容は多種多様だ。一見すると怪しげに感じてしまうが、名のある会社の公式アカウントの多くもこのムーブメントに乗っかっている。
この降って湧いた突然のブームに、SNS上では驚きと戸惑いの声が多くあがっている。
〈なんでそんな1年分あげるの流行ってるの!?〉
〈企業X界隈で流行ってる1年分プレゼントさすがに靴1年分は意味不明すぎる〉
〈1年分のやつ本当にバカ流行ってて最高Twitterアカウント持ってる企業全部やってほしい〉
〈知らない企業さんも多いからそこから色々知れるのも面白くていいね〉
〈絶対当たらない&当選者一人もいなくてもわからないとは思いつつ、つい乗ってしまう〉
そこで、この“1年分プレゼント”キャンペーンをやっているアカウントの中でも、とりわけインプレッションが多かった〈ゲーミングPC1年分と言わず3年分プレゼントします〉を企画している、合同会社Karasu Gamingの代表責任者・山中貫嵩氏に話を聞いてみた。
「X上にて他社さまの『1年分プレゼント企画』が流行っているのを見て、弊社も便乗するかたちでやってみることにしました。弊社はお客さまの目的や用途に合わせた高コスパなゲーミングPCを販売しているのですが、“パソコン1年分”というワードはかなりインパクトがあるだろうなと思い企画しました」
しかし、プレゼントしているのはゲーミングPC3年分。そもそも、“パソコン1年分”という概念すら謎の中で、ゲーミングPC3年分とはどういうことなのだろうか。
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企業が語るXでバズった効果
「パソコンは何年も通して使えるものなので“1年分”と記載するのはおかしいかな? と考えたときに、今後“3年分”は少なくとも遊べるであろうモデルをご用意しました。大切に扱っていただければ、“5年分”は持つだろうと踏んでいます」(同社代表責任者・山中貫嵩氏、以下同)
各企業がこぞって行なっているこの1年分プレゼント企画。効果はあるものの、プレゼント代としてかかる広告費もなかなかのもと思われるが、果たして採算は取れているのか。Karasu Gamingが今回プレゼントするのは、定価約35万円のゲーミングPCだが……。
「この企画をきっかけに、現在多数のお客さまや各社さまからお声がけいただいておりまして、ありがたいことに元は取れそうな勢いです。今回の反響に合わせて1番人気のモデルを表示価格から“1万円割引”するキャンペーンも行っているのですが、こちらも驚きの声を多数いただいておりまして大盛況となっています。
私自身が1台のPCのおかげで人生を変えてもらったという思いもあり、このままたくさんの方に弊社のゲーミングPCが届けられるようになればいいなと感じています!」
なお、気になる当選者の決め方は、抽選ツールを使用して平等に決める予定とのことだ。
どうやら、企業にとっても応募者にとってもWin-Winになっているこの企画。そもそも、誰が発端でこのムーブメントが起こったのだろうか。
こうしたポストをさかのぼっていくと、愛媛のみかんを全国に出荷している株式会社乃万青果の産直ブランド「のま果樹園」のポストが発端であるらしいと確認できた。
今年11月3日に「やけくそのお知らせ」と題して、みかん1年分プレゼントキャンペーンをしたところ、そのポストは4000万以上のインプレッション、23万以上のリポストを記録するほどの大バズとなった。
のま果樹園ではこれまでにも1年を通してみかんプレゼントキャンペーンを行ってきたが、「みかん1年分プレゼント」というインパクトはすさまじい反響だったようだ。