【MotoGP】移籍ビニャーレスは初乗りKTMマシンに好感触「最初からスムーズ。僕がスタートで後退していた理由も理解した」

 2024年限りでアプリリアを離れKTM陣営のテック3へ移籍するマーベリック・ビニャーレス。テストでのKTMのMotoGPマシン初走行の感触はポジティブなものだったようだ。

 ビニャーレスはヤマハを離れたあと2022年からアプリリアへ加入。2024年にはアメリカズGPでMotoGPクラス史上初となる3つの異なるメーカー(スズキ、ヤマハ、アプリリア)での勝利を収めている。ただ彼はこの年限りでアプリリアを離脱。今度はテック3でKTMのマシンを走らせることになった。

 最終戦ソリダリティGPが終了後、MotoGPは中1日を挟んでカタルニア・サーキットに居残って、ポストシーズンテストを実施。ビニャーレスはここでKTMのマシンを初めて走らせた。

 あくまでもテストであるため、何番手タイムかというものは参考でしかないが、ビニャーレスは比較的早くからKTMのマシンでもスピードを発揮していった。

 74ラップを走り込んだビニャーレスの最終的なタイムは1分40秒082の16番手で、KTM陣営でトップだったブラッド・ビンダー(KTM/6番手タイム)からは約0.5秒差だった。

 ビニャーレスはテスト後、KTMのマシンに初めて乗ったフィーリングを明かしており、かなり好印象だったことが伺えた。

「今日は期待などはせずにスタートさせた。でも最初のラップから、全てが自然に流れていた」

 ビニャーレスはそう語る。

「変更などはあまりせず、ペドロ・アコスタのセットアップでと頼んでいたんだ。乗って、それで速く走りたかった」

 なおビニャーレスはKTM・RC16が「トップスピードは前のバイクよりもかなり速いね」と驚かされたと語っていて、さらにスタートの挙動もアプリリアとはかなり異なっていると示唆した。

「このバイクでスタートを試したいと思っていたんだ。3回しか試していないんだけど、何故僕がスタートでああもたくさんポジションを落としてしまっていたのか、今は理解できたよ」

「このバイクの第一印象としては、重さが軽くなって、方向を変えるのが楽になった。リヤのライドハイトデバイスもかなり気に入った。よりスムーズに低くできるんだ」

 またテスト中にビニャーレスのことを観察していたというアコスタは、今後競争力を発揮するだろうと予想した。

「テストではマーベリックと走っていたんだ。エアロダイナミクスのパーツを試していて、前に速いライダーが必要だったから、彼と出かけていった」

「彼のコメントはとてもポジティブだったね。エネア(バスティアニーニ/テック3)は転倒でバイクを壊していたから、深くは聞いていない。マーベリックは速く走れていたし、後ろから彼を見ていても、上手く乗っていた。他メーカーからの移籍だから癖があるのは普通のことだけど、彼は競争力を発揮してくるだろう」