グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の理事を務めているジョージ・ラッセル(メルセデス)は、先日GPDAが俗に言う”言葉狩り騒動”の問題で公開書簡を出したにもかかわらず、FIA側が沈黙を貫いていることに、ショックを受けている。
言葉狩り問題は、今年のシンガポールGPを契機として大きく取り沙汰されるようになった。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが木曜会見で放送禁止用語を使用し、FIAはこれに社会奉仕活動のペナルティを科した一件だ。フェルスタッペンはこの件について不満を隠しておらず、FIAの会見では最低限の受け答えしかしないようになるなど、その影響も現れている。
他のドライバー達はフェルスタッペンを支持している状況にあるが、ドライバーの組合であるGPDA理事のラッセルは、この状況を解決するためにFIAと話し合いを行なうことを希望していると話していた。そして11月上旬にGPDAとして声明を発表。「ドライバーをひとりの大人として扱う」ようFIAに求め、罰金の使途の透明化なども訴えた。
しかし今のところFIAからの動きがないことに、ラッセルはショックを受けているという。
「僕らの意見が聞き入れられているのか、要望している変化の一部でも実施されているのかどうか、分からないんだ」
「こうした状況全体にうんざりしているドライバーもいるし、いくらか間違った方向に進んでしまっているように見える」
ラッセルはGPDAの書簡は、ドライバー達がこの問題についてどれだけ真剣に考えているのかを示すためのものだったと語った。
「物事を変えたり、何か約束を守らせたりするのは、ちょっと難しいみたいだ」とラッセルは言う。
「おそらく、FIAや会長(モハメド・ベン・スレイエム)は、僕らがどれだけ物事を真剣に捉えていたのかを理解できていなかったのだろう」
「今年、そして昨年も僕らは20レース以上にわたって、様々なトピックスについて話し合ってきた。ドライバー達はみんな同じように感じているし、このスポーツが向かっている方向や、僕たちが何を求めているのかをちゃんと理解している。そして、いくつかのトピックスについては、少し方向転換したいと感じているんだ。それについてFIAと協力していきたいと思っている」
「会長からは、そうしたことが何も無いように感じている」
またラッセルは罰金の使途の透明化についても反応がないことは、スレイエム会長が公約を果たしていないのではないかと指摘した。
「数年前、僕らがFIAから話を聞いた時、会長選で彼らは透明性について話していた」
「草の根レースについてお金が再投資されることについては皆賛成している。僕らはただ透明性を求めているだけで、最初に約束していたことを思い出してほしいだけだ」