〈斎藤知事“復権”に県職員は…〉「チカラが抜けて涙が止まらない」「実名告発した報復が恐い」…いっぽう最側近の幹部は「次の副知事はオレだ」

「みな家庭があり、そんな簡単に辞めることはできない」

「アンケートには実名で書いた人が466人もいました。具体的な事例も多く書かれています。アンケート実施は斎藤氏が知事職を追われるかどうかは全く分からない時期でしたから、彼ら彼女らはAさんに続くように公務員のキャリアを賭けて告発したのです」(県関係者)

だが、街頭演説会の規模がふくらみ続けた末に斎藤氏は再選。

選挙中、演説会で「斎藤さんは県議会とマスコミにハメられた」と主張した50代の女性に集英社オンラインが「パワハラなどは県職員アンケートにも多く書かれ、百条委でも証言がありますが?」と尋ねると、「どうせ上から書かされたんや」と返って来た。

さらに、選挙中どころか終了後も、百条委関係者や対立候補、その支援者らにはSNSやメール、時には電話や自宅へ押しかけ非難や脅迫めいた言葉が投げつけられた。

百条委で疑惑究明の先頭にいた竹内英明県議が、「家族が耐えられなくなった」として議員を辞職する事態にもなっている。

「こうした攻撃的な非難の中には『斎藤知事に謝れ』という言葉が含まれます。アンケートで告発した県職員にも支持者の怒りは向いています」と県関係者。

職員のZさんは「百条委員会のアンケートに実名で回答した職員たちがどんなに怯えているかと思うと夜も眠れません」と心配を隠さない。

就任式では耳を傾けると口にした斎藤知事。しかし前日の18日にはメディアの囲み取材に、

「民意を得たので(県)職員の皆さんは知事部局として一緒にやっていくのが地方公務員の責務」と断言している。

斎藤氏が再選されたら職員が多く辞めるという憶測も出ていたが、県関係者は「みな家庭があり、そんな簡単な問題ではありません」と話す。

だが「職員の間では、攻撃を受けている百条委メンバーや竹内さんへの心配や、こうした攻撃に一切言及しない斎藤知事への怒りが広がっています」とも指摘した。

斎藤氏がアンケートへの報復を行なうのか、諫言と受け止めて職員との信頼関係構築を重視するのか。選択の結果は県民への行政サービスの質に直結する。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班