これまで制作されたアニメのなかには、グロテスクなシーンや濡れ場のシーンが話題になった作品もあります。大人向けな作品は避けられることもありますが、深いテーマや独特の世界観が高い評価を受けた作品もありました。
お馴染みの構えをする伊良子清玄がパッケージのアニメ『シグルイ』DVD4巻(ジェネオン エンタテインメント)
【画像】え…っ?「これアニメで動かせるの?」「男の筋肉だけどなんかドキドキしちゃう」 こちらが表紙の段階で衝撃的な原作マンガ『シグルイ』です(4枚)
過激なグロ描写や大胆な性描写にドキドキ!
グロテスクな描写や性描写が見どころのアニメはこれまで、定期的に作られてきました。原作を知っているとアニメ化されたこと自体が衝撃的な作品もあり、今でも語り草になっています。
過激な大人向けアニメといえば、「チャンピオンRED」(秋田書店)で連載された同題マンガが原作の『シグルイ』(原作:南條範夫/作画:山口貴由)は外せません。本作は隻腕の剣士「藤木源之助」と、盲目で片足が不自由な剣士「伊良子清玄」の因縁、死闘を描いた作品です。江戸時代、藤木と伊良子が駿府城で開かれた御前試合に挑む前、ふたりにどのような因縁があるのか語られていきます。
本作は地上波ではなく、WOWOWでR-15指定相当とのレギュレーションを受けて放送されており、「残酷無惨時代劇」として知られる過激な描写が健在です。第1話では影腹を切った家臣が主君へ訴えかけるため切腹して内臓を引きずり出したほか、女性キャラが仕置きとして乳首を引きちぎられたり、好きな人をかばい自ら焼きゴテで乳首を焼いたりと、目をそらしたくなる場面がしっかり描かれました。
ここまで残酷な描写に挑んだ本作は、「指が切れるシーンでしっかりとなかの骨まで描いて驚いた」「父親が門弟のいる前で娘に男女の契りを強いるのが鬼畜すぎる」と、声があがっています。なお、アニメ版は原作の途中で終わって、御前試合の結末が描かれておらず、放送から10年以上経った今でも、続編を望む声があがっています。
そのほか、2008年にAT-X開局10周年記念作品として制作されたアニメ『Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-』も大人向けな作品です。不老不死の女性「麻生祇燐」とその相棒「ミミ」が、生物兵器テロや非合法研究といった過酷な事件に挑む本作では、敵に囚われた燐がひどい目に遭うなど、グロテスクなシーンが描かれています。
特に、燐が乳首や恥部を含めた全身にピアスをされるシーンは、思わず目を背けた視聴者も多いでしょう。一方で、細部まで描かれた女性の裸姿や女性同士の性行為など、思わずドキドキしてしまう濡れ場も描かれ、こちらも放送の際には年齢制限が設けられました。
視聴者からは「何回も死んでいく主人公の姿は回数を重ねる度につらくなる」「今では大御所の能登さんと釘宮さんが濡れ場の声を演じていて驚いた」といったこのほか、「エログロだけど話しの筋はまとまっていて世界観が好き」と評価を得ており、大人向け作品として支持されています。
また、2014年にアニメ化された『極黒のブリュンヒルデ』(原作:岡本倫)も、エログロ作品の代表例です。優れた頭脳を持つ主人公「村上良太」が、研究所から逃亡してきた魔法使いと名乗る「黒羽寧子」と出会い、魔法使いの少女たちの逃亡生活を手助けする物語が描かれました。
人体改造された「魔法使い」の少女たちは、「鎮死剤」を接種しなければ体内から血を噴き出して死ぬという過酷な運命を背負い、追手に殺害されたり血が飛び散ったりするシーンも多く描かれています。一方で、ヒロインたちの裸や胸が揺れるシーンなどのお色気描写もあり、視聴者をドキドキさせる場面が散りばめられていました。
過酷な内容ながらも「魔法使いたちの死生観に泣ける」「人体実験や生、記憶などの重いテーマを見事に描いている」との声があがり、高い評価を得ています。