夫とのレスから女性に恋焦がれるようになった弥生さん(33歳主婦/子供ナシ)。お相手はカルチャースクールでK-POPダンスを教える美和子先生(31歳/独身)だ。 最初こそ戸惑ったものの、不倫を楽しむ女...

恋人は男性と結婚を選んだ



裏切られたの(写真:iStock)

 美和子先生が同性愛者であったことに、弥生さんは驚きを隠せなかったという。そんな弥生さんの恋心を知るはずもなく、美和子先生は話し続けた。

「美和子先生が生粋の同性愛者であることに対し、恋人の女性はバイセクシュアルだそうです。でも、生涯のパートナーとして生きていこうと付き合って3年が経過。恋人女性は両親から結婚をせっつかれたそうです。

 同性と付き合っていることをカミングアウトできなかった彼女は、親の紹介した男性と結婚することを決めたそうで…。美和子先生が『裏切られた…』と言っていたのは、生涯のパートナーとして疑わなかった彼女の裏切りだったんですね。

 厳格な公務員の家庭で育った恋人は、結局、両親の言いなりになったわけです。美和子先生はこぼれ落ちる涙を拭いながら話してくれました」

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「涙を乾かすお手伝いをしますから」



いてくれてよかった(写真:iStock)

 弥生さんは、さめざめと泣く美和子先生の背中をさすりながら、「おつらかったですね」と慰めた。

「慰める一方で、私は不思議な気持ちになっていました。まさか美和子先生が同性愛者だったなんて…と。心の中で驚きと安堵の気持ちが交錯しました。だからと言って、ここで先生が好きだと告げるわけにはいきません。

 今は先生の悲しみを少しでも和らげてあげたいと、その一心で彼女の背中をさすり続けたんです」

 いくらか落ち着いてきた時、美和子先生は弥生さんを見つめて「ありがとう。弥生さんがいてくれてよかった」と抱きついてきたという。

 弥生さんは語る。

「ドキッとしました。甘い匂いが濃く香り、胸の膨らみが私の胸元に押し当てられたんです。先生が私の体を抱きしめているという事実に、めまいがしそうなほど緊張してしまって…。

 気づけば『私でよければ、先生の涙を乾かすお手伝いをしますから』と、ギュッと抱きしめ返していたんです」