侍の扇の要が、同僚へ”愛あるツッコミ”をぶつけた。
11月21日、野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」はオープニングラウンドを勝ち抜いた4か国総当たりのスーパーラウンドが東京ドームで開幕。予選ラウンドを5戦全勝で突破した侍ジャパンは、初戦でA組2位通過の米国と対戦し、11安打9得点の猛攻を浴びせて圧勝を飾り、大会連覇に向けて好発進した。
日本は先発の高橋宏斗が初回に圧巻の三者連続空振り三振を奪う素晴らしい立ち上がりでスタートすると、その後も米国打線を翻弄。4回を投げ8つの三振を奪い、2安打無失点の快投だった。
両チーム無得点で迎えた5回、高橋からバトンを受けて登板した左腕の隅田知一郎が先頭打者に真ん中に入ったフォークを左翼スタンド上段に運ばれて先制点を献上したが、直後に日本は連打などで1死一、二塁とランナーをためると、9番の坂倉将吾が右翼線への適時二塁打を放ち、すぐに同点に追い付く。米国は3番手に右腕のバーノンにスイッチするが2死一、二塁から2番の小園海斗が右翼線へ2点適時三塁打で、日本が3対1と逆転した。
7回には再び小園が相手6番手ミルズから右翼スタンドに運ぶ3ランで突き放すと、8回には桑原将志の中前適時打で6点差に広げると、三度チャンスに小園が登場。背番号51は真ん中付近にきた高めの直球を鋭く振り抜き、右翼スタンドへ2打席連発となる2ランを叩き込み、ダメを押した。
チームの全9得点中7得点を荒稼ぎした小園。しかも、今季レギュラーシーズンで通算2本塁打だった男が、この試合だけで2ホーマーを放つ大活躍に試合後の囲み取材では「もう奇跡です」と恐縮。2打席連発を振り返りながら、「ちょっと怖いんで。明日はちょっと基本に、忠実にやっていきたいと思います」と話した。
5回に同点適時打をマークし、普段は広島カープで一緒に戦うチームメイトの坂倉も同僚の大爆発に脱帽。「すごいなと思って見てました。シーズンで(ホームランを)2本しか打ってないのに、今日は2本も打って『ふざけるなよ!』ってなるんですけど(笑い)」と冗談を言いながら、「本当に頼もしいです」と厚い信頼を寄せた。
ここまで6試合中5試合で先発マスクを被っている坂倉は国際試合で気を付ける場面について、大量得点を防ぐことを常に念頭に置いていることを明かす。
「(海外の)バッターはやっぱり一発があるので、なるべく今日みたいにソロでとどめられるように。ゼロで考えるとちょっと苦しくなってしまうので、打たれてもソロ。とにかく1.5か複数得点を取られないというのを意識してます。フォアボールが一番流れが変わりやすいと僕は思っているので、正直単打を打たれても僕はあまり気にすることじゃないと思うので」
打撃力が高い米国打線を相手に先発の高橋をはじめ、計5投手を好リードして1点に封じた坂倉。「ピッチャー陣が本当に頑張ってくれて、いい試合になった」と笑顔で振り返りながら、明日も負けられないベネズエラ戦について「本当に勝つだけなので、みんなを信じて勝ち続けたい」とチーム一丸での優勝へ強く意気込んだ。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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