来季の去就が注目される角田裕毅(RB)。ホンダのドライバーであるため、レッドブル昇格が妨げられているのではないかと言われることもある。しかし当の角田は、ホンダとはこの件についてはあまり話しておらず、レッドブルと話すことの方が圧倒的に多いと語った。
角田は2021年にF1デビューを果たし、今年で4年目のシーズンを過ごしている。しかしチームメイトを務めてきたダニエル・リカルドやリアム・ローソン、そしてその他レッドブル・ジュニアチームのドライバーにはレッドブルの最新マシンをドライブするチャンスが与えられてきたものの、角田がレッドブルの最新マシンをドライブしたことはこれまでにない。
ホンダ/HRCの後押しもあり、今年のシーズン後のアブダビテストで、ようやくレッドブルのマシンに乗ることになるものと見られている角田。しかし、不振が続くペレスの後任としてレッドブルに乗る候補として、角田の名前が挙がるのは、チームメイトらに比べて少ないように見えるのも事実だ。
「夏休みの直前だったと思いますが、焦り始めた時もありました。でもさっきも言ったとおり、これは自分ではコントロールできないことです。それも人生の一部です」
「僕は、今やっていることを続けていくしかないです。レッドブルは、僕に勝とうとするドライバーを送り込んできますが、僕らは彼らを打ち負かし続ける。そうするつもりです」
角田は”鈴鹿サーキット・レーシング・スクール(現ホンダ・レーシングスクール・鈴鹿)”出身。ここから4輪レースのキャリアを本格的にスタートし、ホンダの育成プロジェクト入りを果たしたことでカテゴリーを駆け上がり、F1に辿り着いた。
角田はそのホンダのサポートについて感謝しつつも、将来に向けて、今はホンダとは話していないと語った。
「レッドブルとホンダの、具体的な関係は知りません。でも、ホンダが僕が若い頃からサポートしてくれたのは確かです。そして、ホンダとレッドブルは今は一緒に働いています」
「ホンダは僕のことを後押ししてくれているのは確かですが……決めるのはレッドブルです。でもどういうわけか、うまくいっていません。理由は分かりませんが、僕はそれについて考えるのをやめました。考える意味のないことだと思います」
「僕はホンダとはまだ話していません。正直に言って、自分のやっていることに集中しているだけです。そして、レッドブルと話をすることの方が多いです」
「ホンダが僕をサポートしてくれていることには感謝しています。でも、僕はレッドブルの一員です。だから僕はまだここにいるんです」
ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は先日、motorsport.com日本版のインタビューに応じた際、角田の立場について次のように語っていた。その内容と、今回の角田の発言は合致するように思える。
「彼には十分に実力があるのではないかと見ています。我々はチームの”パートナー”として、角田をレッドブルのマシンに乗せる、テストで乗せるという強いリクエストを出しています」
「それがうまくいけば、我々が(レッドブルと)離れる2026年以降も、彼はレッドブルに残り、チャンピオンを目指してもらえると思っています」
「彼にはもっとレッドブルの人になってもらっていいと思います。永遠に離れるわけではないでしょうから……でも今狙うべきはレッドブルのシートです」