マイアミGPでのF1初優勝を皮切りに、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とタイトルを争う存在にまでなったランド・ノリス(マクラーレン)。彼はシーズン序盤戦こそ「必要なレベルにいなかった」としつつも、現在はそのレベルに達していると信じている。
今季のF1は残り3戦となったが、雨のレースとなった前戦サンパウロGPで両者の明暗が別れたことで、タイトル争いはフェルスタッペン優位となった。ノリスはポールポジションスタートながら6位に後退。対してフェルスタッペンは17番手スタートから劇的な優勝を飾り、ノリスとの点差を62に広げたのだ。
これでフェルスタッペンは今週末のラスベガスGPで優勝すれば、ドライバーズタイトル4連覇を決められる状況。ノリスとしても、タイトル争いのチャンスが遠のいたことを認めている。
「正直なところ、あまり大きな変化はないよ」とノリスは言う。
「自分の今の立ち位置がなんとなく分かってきたし、もう失うものはあまりない。マックスとの差を見た時、自分の置かれている状況を理解した」
「ブラジルの後は僕にとって厳しい日々だった。現実的に考えて、(ランキング)1位になるのは厳しいと思った最初の瞬間だったからだ。タイトル獲得に向けて本当に争っているという感覚は薄れてしまった。難しい瞬間だったけど、自分のアプローチは正しかった」
「ここ数週間、僕のアプローチは正しかったし、良いパフォーマンス、良い仕事ができていた。だから何も変えることはないけど、少しは楽しむ気持ちで臨めるかなと思う」
タイトル獲得の可能性はほぼ潰えてしまったノリスだが、少なくとも自分が上位で戦えることを証明できたと思っている。来シーズンに向けて得た教訓について尋ねられた彼は、こう答えた。
「自分にはその資質があると思ったことだ。この6年間F1で走ってきて、先頭を争うチャンスを得たのは初めてだと思う」
「これは僕ら、そして僕にとって初めての機会であり、自分の立ち位置を確認する初めての機会でもある。僕は間違いなく、シーズン序盤、そしてマイアミの段階でも、求められるレベルに達していなかった」
「夏休みに入ってからは良い仕事ができたと思うし、とても良いパフォーマンスを発揮できた。これまでで最高レベルのね。だから今までの多くのことを変えようとは思わない。ただ改善や微調整が必要なことがあるのは確かだ」
「初めて、優勝争いに必要なものは持っていると自信を持って言えるようになった。だからといって、僕が完全で完璧ということではないのは確かだ」
「チャンピオンを争う力があると信じられるようになったことが、最大の収穫だったと言える」