カモフラージュは寿命を削る「禁術」だった

研究者によると、野生下のタコはカモフラージュをなるべく使わないような方法を取っているように見えるといいます。

例えば、夜行性のライフスタイルはその一つです。

タコは基本的に夜行性であり、夜になると活発に行動して獲物を捕らえたりしています。

夜の暗い海だと、多少大胆に行動しても天敵に見つかりにくいため、カモフラージュをする必要がないと考えられるのです。

それから昼間に活動するタコは身を隠す方法として、カモフラージュよりも岩場の隙間や穴に隠れることを多用しています。

これもカモフラージュに伴う多大な代謝コストを節約するためなのでしょう。


できればカモフラージュは使いたくない?/ Credit: canva

きっとタコは自分でもカモフラージュが寿命を削る禁術であることを理解しているはずです。

タコにとってカモフラージュは、天敵がすぐ近くに迫っていて、周りに隠れる場所がどこにもないピンチのときの最終奥義なのかもしれません。

ですから、タコのカモフラージュを見たいと思って、捕まえたタコを無理に突いたりするのはやめてあげるべきでしょう。

参考文献

The Amazing Camouflage of The Octopus Comes at a Heavy Cost
https://www.sciencealert.com/the-amazing-camouflage-of-the-octopus-comes-at-a-heavy-cost

For octopuses, changing colors is hard work
https://www.popsci.com/science/octopus-changing-color/

元論文

High energetic cost of color change in octopuses
https://doi.org/10.1073/pnas.2408386121

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。
他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。
趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部