トヨタの勝田貴元はWRC(世界ラリー選手権)ラリージャパン序盤からパンクによりタイムロスを強いられたが、“思い当たる節”はあったものの、「大きな衝撃」を受けたわけではないと語った。
トヨタはヒョンデと今季のマニュファクチャラーズタイトルを争う中で、最終戦ラリージャパンを迎えたが、本格的な林道ステージが始まるDAY2最初のステージとなるSS2で勝田/アーロン・ジョンストン組はタイヤのパンクによって、トップから1分のタイムロス。このステージではチームメイトのセバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組もパンクを喫するなど、いきなり出鼻を挫かれた。
「左側で思い当たることがありましたが、大きな衝撃はありませんでした。とてもスムーズで、ちょっと驚いています」
DAY2午前のループを終えて勝田はそう振り返った。
「しかし残念なことに、こうやって既に起こってしまいましたし、多くのドライバー、他のカテゴリーでもあのステージではパンクがあったようです」
「その一方でチャンスはあります。このステージのようなことは、誰にでも起こり得ることです」
DAY2ではヒョンデのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組とトヨタのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合首位を争う一方で、Rally1のドライバーにアクシデントが続いている。実際、ヒョンデのティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組は出力系のトラブルに見舞われ、そのチームメイトであるアンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン組がクラッシュによりリタイアとなった。
こうした状況も味方し、DAY2午後のSS6を終えた時点でトップ2台とは1分以上の開きがあるものの、勝田は総合3番手まで順位を回復した。
ただ勝田は、マシンに対するフィーリングが芳しくないとして、路面を注視しながら控えめに走っている状態だったと明かした。
「このラリーでは序盤を抑えめに走る必要がありました」と勝田は言う。
「フィーリングは良くありませんでしたし、この手のラリー、この手のステージではコーナーがとても多く、コーナーひとつひとつのコンディションを見ながら走り始めると1km後にはかなりのタイムを失ってしまいます」
「一見悪そうに見えますが、実際コースに沿って(コースオフすることなく)走れているので大丈夫です」
「残念ながらパンクがありましたが、それでも今は戦いに戻りつつあります。上位に何が起こるか分からないですし、1台は問題を抱えています。今後のループで何が起こるかは分かりません。まだ諦めたわけではありません」
また、攻めに転じろという指示を待っている状況なのか? と聞かれた勝田は次のように答えた。
「今日の午後は、残念ながらアタックできないでしょうね。どうなるか見てみましょう。土曜日の最終ステージまでまだ長い道のりですし、明日にはもしかしたら……」
「もうオットを捉えるのが難しいという現実です。かなり離されています。何かミスがなければ、彼に追いつくのは不可能です」