中国・上海で11月18日（月）から2025年1月20日（月）までの間、行われているのが『第10回 上海国際コメディフェスティバル』。これまで計200以上の作品、約1,300公演を実施、累計約90万人を動員している人気イベントです。節目の10回目となる今年も、昨年に引き続き吉本新喜劇＆人気芸人がフェスティバルに参加。21日（木）からは『よしもとコメディスペシャル』と銘打ち、ネタと新喜劇で上海を盛り上げました。今回はその様子をレポートします。
入念なリハーサルで本番を迎える！
本番前日の劇場では芸人、スタッフがリハーサルを行っていました。まずはネタブロックから。ステージへの登場タイミング、それに合わせる音楽、ネタ中の照明や立ち位置などを細かに調整していきます。オチのところの音を出すタイミングなど、ウケに大きく関わる部分は特に密なディスカッションが必要。やりとりを何度も繰り返しながら、1組終わるとまた1組、そしてまた1組とリハーサルが続きました。
芸人がステージにいない間には、スタッフによるさらに細かな技術的打ち合わせ。照明の動きの幅の大小、マイクの種類、舞台の小道具など、明日の本番に控えて入念に作業を行っていました。
新喜劇のリハーサルも基本的には同じ。ステージ上の全員でギャグを出すタイミングや位置などを確認します。基本、全編字幕が出るのですが、リハ中にアドリブが飛び出すと「字幕、つけられないから！」とツッコミが入るなど、リラックスした雰囲気でリハーサルは進行。もちろん、公演当日も入念なリハーサルが行われました。
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漫才、コント、諸芸で会場は大爆笑！
会場となった蘭心大戯院には開演前から多くの観客が詰めかけています。そのほとんどは地元中国の方々です。
そしていよいよ開演。漫才とコント、新喜劇に関するVTRのあと、トップに登場したのは藤崎マーケット（トキ、田崎佑一）。日本でお馴染みのラララライ体操がスタート。そのテンポのよさで、しっかり会場を掴みます。そして「おるおるモノマネ」へ。日本でウケる“おるおる”が上海でもしっかりウケていました。
続いては開幕公演でも会場を沸かせたしずる（KAƵMA、村上純）がステージへ。「動物園の園長と飼育員」を披露します。ネタの冒頭でしっかり笑わせると、ゆっくりとしたテンポのやりとりで続いていくネタは、設定・言葉のチョイスが秀逸。上海の観客にもしっかりとその面白さが伝わっていました。
3番手はもりやすバンバンビガロ。日本国内のノンバーバルイベントでも人気ですが、昨年に続き今回もネタ中の説明をすべて中国語で行うことにチャレンジします。まずは中国語で自己紹介すると拍手が。そこからも字幕なし、中国語オンリーでネタを進めていきます。芸を披露するたび拍手と歓声、中国語では笑い、とすっかり上海の観客を魅了していました。
しずると同じく開幕公演に出演していたアキナ（山名文和、秋山賢太）も登場。こちらも独特の世界観のコント「今日から正社員」を披露します。途中、数回の暗転を挟みながら淡々と進行していくネタは、2人のやりとりがポイント。上海でもしっかりと笑いを取っていました。
ネタの最後はベテラン、テンダラー（白川悟実、浜本広晃）。1年前にも上海の舞台に出たことを話して盛り上げると、中国語を披露する浜本。「1年かけて中国語を勉強してきた」と話しますが「さっき必死で覚えたばっかり」と白川からツッコミが入ります。スピーディなしゃべくりが持ち味のテンダラーですが、しっかり会場は爆笑。ネタに上海を盛り込むなど、さすがの舞台を見せてくれました。
