「コミュニケーション施策」におけるデザイナーの仕事

一方コミュニケーション施策では、主にマーケティンググループやサービスプランニンググループが中心となって獲得施策やCRM施策を考え、コミュニケーションデザインチームがその意図をくみ取った適切なクリエイティブを制作するというのが主なフローになります。

ホームページやLP、広告バナーのデザインはもちろん、イベント時のツールやグッズのデザイン、Instagramアカウントの運用なども行っており、アプリ以外のすべてのタッチポイントのデザインをコミュニケーションデザインチームが担うことで、みんなの銀行の一貫した世界観を実現しています。また最近はプロダクト改善と同じように、コミュニケーション施策においてもより上流の企画フェーズからデザイナーが参画する機会が増えてきました。

例えばお金のやりくりを学べる「Money Saver」というオウンドコンテンツは、元々デザイナーが持っていた課題感を起点にデザイナー自ら企画立案し、具体化まで一気通貫で行ったものになります。

また、これまで「アクイジション(顧客獲得)」と「リテンション(顧客維持)」でターゲット像が異なりアクティブ率が伸びにくい状況が続いていました。

そこでこれまでサービスデザインチームがプロダクト改善の中で蓄積してきたユーザーデータを元に、特によく使ってくれているヘビーユーザーの特徴から増やすべきペルソナを明確に定義し、そのペルソナを戦略的に獲得し維持するための一連の施策を、マーケや企画のメンバーと一緒に考える取組みを進めています。

このように、デザイングループが持つユーザーデータを起点として、部署横断・ファネル横断で、一気通貫の施策を検討する機会が増えています。

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デザイングループのこだわり

みんなの銀行サービスに広く関わるデザイングループですが、大事にしているポイントが2つあります。

1つ目が「徹底的なユーザー理解とその周知」です。

みんなの銀行のミッション「みんなに価値あるつながりを」を実現するためには、その「価値」をユーザー視点で見極めながら具体化していくことが必要です。そのためには、デザイングループがユーザーを理解することはもちろんですが、一緒にサービスをつくり、伝えていくメンバーにも理解してもらわなければ実現できません。

通常業務の中で他部署と積極的にユーザー起点の議論をすることはもちろん、新入社員向けオンボーディングの中に、インタビュー動画を見ながらアイデアを考えるワークショップを組み込んだり、経営会議の中でゲリラ的にインタビュー動画を流すことで、普段ユーザーの声に触れる機会が少ない経営層にも半ば強制的にユーザーに目を向けてもらう機会を設けたりしています。

このように、私たちデザイングループは常に社内の誰よりもユーザーを理解している組織であると同時に、そのユーザー起点のマインドセットを会社の隅々に浸透させていく組織であることを心掛けながら活動しています。

2つ目は「銀行らしくないデザインの実現」です。

銀行は生活に欠かせない存在であるにもかかわらず、「堅い」「難しい」「面倒くさい」という印象があり、苦手意識を持っている人も多いです。

そのような固定観念を払拭し、誰もが親しみを持って使いこなせる銀行ができれば、ユーザーはより豊かで便利な暮らしをおくれるようになると思っています。

みんなの銀行が掲げる3つのバリューの1つに「銀行らしさからの脱却」というものがあります。また私たちデザイナーの指針となるデザイン原則の中にも「Playful」という銀行らしくないワードがあります。これらの方針を体現するのが私たちデザイングループの役割だと思って活動しています。

みんなの銀行はまだ新しい会社で、やらなければいけないことがたくさんあります。限られた予算や条件の中で創意工夫をしながら、成果を出していくというのはとても面白いフェーズであり、デザイナーの腕の見せ所だと思っています。

インハウスデザイナーとしてトライアル&エラーを繰り返しながらサービスを育て、デザインの力でより良いユーザー体験と事業成長の両立に貢献していきたいと思います。

本記事ではデザイングループの全体像をお話しさせていただきました。今後の記事では「サービスデザインチーム」「プロダクトデザインチーム」「コミュニケーションデザインチーム」それぞれのチームがどのように活動しているのか、より詳しく紹介していきたいと思います。乞うご期待ください!

(執筆者: みんなの銀行)