ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP

 F1第22戦ラスベガスGPのフリー走行2回目は、メルセデスのルイス・ハミルトンがトップタイムをマークした。

 ラスベガスのカジノ街のど真ん中を走るF1ラスベガスGP。FP2は現地時間22時からのスタートとなり、気温は10度まで低下。路面温度も13度と、FP1よりもさらに寒い中でのセッションとなった。

 セッションがスタートすると、アルピーヌ勢を先頭にコースイン。ほとんどのマシンがここでミディアムタイヤを履いた。

 FP1でワンツーだったメルセデスはこのセッションも序盤からタイムシートの上位につけ、ハミルトンが1分35秒805でタイムシートのトップに。しかし、路面コンディションの改善とともにタイムも良くなっていき、セッション開始10分のところで1分34秒979をマークしたジョージ・ラッセルがトップ、2番手にマクラーレンのランド・ノリスが続いた。

 コンディションも相まってグリップが低いのか、タイヤをロックさせてコースオフするマシンも度々みられる中、ラッセルは6周目のミディアムタイヤでタイム更新したが、さらにそれをシャルル・ルクレール(フェラーリ)が上回り、トップタイムを1分34秒476まで更新した。

 セッション開始から20分が経とうとするタイミングでピットに戻るマシンが多くなった。RBの角田裕毅はFP1では最後方に沈んだものの、この時点で9番手につけた。

 ピットでマシンを調整するマシンもある中、ウイリアムズのフランコ・コラピントやアストンマーティンのランス・ストロールが新品のソフトタイヤを履き、空いたコース上で予選シミュレーションを実施した。

 ラッセルも上位陣の中では早めにソフトタイヤを投入。セクター3こそ全体ベストを出せなかったが、1分34秒015を刻んで首位に立った。ラッセルのアタックを見届けたタイミングでフェラーリ勢やマクラーレン勢もソフトタイヤを履いた。

 フェラーリのカルロス・サインツJr.がラッセルに0.090秒差に迫った後、ノリスが1分33秒836をマーク。昨年のFP2トップタイムが1分35秒265だったことを考えると、かなりペースが上がっている様子だ。

 ラッセルも負けじとアタックを続け、セクター1で全体ベストを更新したものの、セクター3でトラフィックに詰まってしまい、タイム更新ならなかった。

 長い間ピットで過ごしていたウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、トラブルが直っていなかったのかコースイン直後からマシンの様子がおかしくターン6でストップしてしまい、これでセッションは赤旗中断に。アルボンはわずか4周でFP2を終えることになった。

 マシンの回収はすぐに済み、セッションは残り19分から再開。各車ここからロングランへと走行プログラムを切り替えた。

 ミディアムタイヤでロングランをするチームがほとんどだったが、ハースのケビン・マグヌッセンは7周目のソフトタイヤで自己ベストを更新するなど、少し違うランプランで走った。

 ロングランではマクラーレン勢の走り出しが1分38秒台前半で良く見えるものの、メルセデスやフェラーリに加え、フェルスタッペンも近いペースで周回。フェラーリ勢は1分37秒台のラップも出すなど、ポテンシャルを伺わせた。

 中団勢ではアルピーヌのピエール・ガスリーやハース勢が1分39秒台。RBの角田はそれより一歩落ちるものの、1分40秒前半のタイムでかなり安定してラップを重ねていった。

 ロングストレートエンドのターン14などで飛び出すマシンも多く、たびたび黄旗が振られるも大きなトラブルなくセッションは終了。ハミルトンがFP1に続いて首位でグランプリ初日を終えた。

 メルセデスはラッセルも3番手と、ラスベガスGP初日は素晴らしい滑り出しとなった。

 2番手はタイトル争いを次戦以降に持ち越したいノリス。ライバルのフェルスタッペンは赤旗の影響を受けてタイムを出せず17番手に沈んでいるが、ロングランペースでもフェルスタッペンよりも有望なパフォーマンスだった。

 下馬評の高いフェラーリ勢は4、5番手。金曜日はライバルの後塵を拝したが、ロングランのパフォーマンスも悪くない。今夜の作業次第では、主導権を握るチャンスもありそうだ。

 中団勢では、ガスリーが好調で6番手。前戦サンパウロGPで表彰台を獲得した勢いを持ち越している。RBの角田裕毅は10番手と、19番手だったFP1からだいぶリカバリーした様子だ。一方でコンストラクターズランキングのライバルであるハース勢が前におり、土曜日に向けてセットアップを熟成させていきたいところだ。