現在開催中の男子テニス国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ・ノックアウトステージ」(スペイン・マラガ/ハードコート)準々決勝で、オランダに敗れたスペイン。今大会での現役引退を表明していたラファエル・ナダル(世界ランク154位)は、シングルス第1試合でボティック・ファンデザンツフープ(同80位)に4-6、4-6とされ、結果的にこれがキャリアのラストマッチとなった。
試合後の引退セレモニーにて、会場のモニターに映し出された映像を通じて“ビッグ4”らがナダルへ惜別の言葉を贈ったことは既報のとおり。もちろん、ナダルのチームメイトである若きエース、カルロス・アルカラス(同3位)もレジェンドの功績について思いを明かしている。21歳のアルカラスにとって、38歳の同胞は幼少期から憧れの存在。感謝のこもった言葉を自身のSNSへ次のように投稿した。
「デビスカップはこれからもたくさんありますが、ラファ(ナダル)はただ1人です。あなたのおかげで私はプロのテニス選手になれました。あなたがアイドルだった子ども時代、そしてチームメイトとしてキャリアを歩むことができたのは幸運でした! テニス界に永遠の遺産を残した最高のアンバサダーです」
もっとも、自分をナダルの後継者とみなす意見には否定的だ。最高のアンバサダーの背中を追うのではなく、自分自身のキャリアを築いていきたい。そんな思いを次のように表現したこともあった。
「彼が残した遺産を私が引き継ぐべきだとは考えたくありません。それは難しいし、ほとんど不可能です。ベストを尽くすつもりですが、今はラファについて、そして彼がキャリアで成し遂げたことについて、ただ偉大さを語る時です。
彼はテニスを世界のスポーツのトップに押し上げた選手の1人でした。
だから、ラファがテニス界にいたこと、そして私の人生のこの時期にラファがいたことは本当に素晴らしいことです」
四大大会22勝や五輪金メダルなどの輝かしい成績だけでなく、常に自分の限界に挑戦する姿勢を貫き、広く尊敬を集めてきたナダル。引退セレモニーで語られた「結果や数字以上のもの達成したことを覚えておいてほしい」という本人の言葉には、誰もが頷いたことだろう。
戦績に限れば、アルカラス(21歳で4勝)はここまで、ナダル(22歳で4勝)をも凌ぐハイペースで四大大会制覇を重ねている。そんな彼の未来には、偉大な先輩と同時代を過ごしたことが、きっと大きな意味を持つはずだ。
構成●スマッシュ編集部
【画像】アルカラスが引退したナダルに送ったSNSのメッセージ
【関連記事】引退のナダルに盟友たちが惜別の言葉。フェデラー「素晴らしいキャリアを祝福する」、ジョコビッチ「ライバルと呼ばれ光栄」<SMASH>
【関連記事】「僕にとっても特別な大会になる」デ杯でナダルとの最後の共闘に臨むアルカラスが意気込み<SMASH>