北米のアウトドアシーンを牽引する総合ブランド、マウンテンハードウェア(以下MHW)。
世界中の登山家、冒険家、アスリートからのフィードバックをもとに開発されているスノーウエアは高い完成度を誇っている。本格的なバックカントリーでの使用はもちろんのこと、近年はフリーライドを得意とするライダーの加入によってラインナップも拡充中。そこで、フリーライドに適した2モデルを紹介しよう。
BOUNDARY RIDGE
ゲレンデとBCの「境界線」を攻めるライダーへ
その名の通り、山岳エリアでハードに使えるウエアやギアを展開するアメリカの名門アウトドア総合ブランド、マウンテンハードウェア。ヒマラヤ高所遠征から低山ハイキングまで、その環境に適したウエア、グローブはもちろん、テント、シュラフ、バックパックまで、一式なんでも揃ってしまうアイテムの多様性と先鋭的な開発力、クオリティーの高さは、世界トップクラスである。
そんなMHWが、25季展開するスノーウエアのなかからフリーライドやフリースキーにマッチした2タイプを紹介。
BOUNDARY RIDGEは、裏地が微起毛したGORE-TEXを使用したセットアップだ。極寒のリフト回しでは保温力を発揮し、アクティブなライドではムレを逃してオーバーヒートを防ぐ。
BOUNDARY RIDGEとは「尾根との境界」という意味で、まさにゲレンデとサイドカントリーの境界線を行ったり来たりできるモデルと言える。表生地に厚手の75デニールリサイクルナイロンを使用し、滑走日数100日以上滑り込むコアユーザーを想定した耐久性の高さもウリだ。
シルエットはゆったりめ、かつ立体裁断を各所に用いた動きやすいライディングデザインに仕上げた。
スノーシーンで必要とされる十分なスペックは言わずもがな搭載されている。厳冬期の本格的なBCから雪山登山、スキー場まで、すべての境界線を跨ぐシリーズだ。
BOUNDARY RIDGE™ GORE-TEX JACKET
バウンダリーリッジゴアテックス ジャケット
BOUNDARY RIDGE™ GORE-TEX Bib
バウンダリーリッジゴアテックス ビブ
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FIRST TRACKS
朝から晩までリフトに釘付けになりたいライダーへ
早朝のファーストトラックから最終リフトまでゲレンデを1日中遊び尽くしたいライダーを想定して作られた1着。表地は70デニールの素材、防水透湿性に優れた独自素材『Dry.Q』を防水透湿メンブレンに採用し、裏地には20デニールナイロンを合わせた2レイヤーモデルだ。
保温性と防風性が高く、寒いときは体温を維持し、運動量が多いときは脇下のベンチレーションからムレを逃し、ずっと着続けられる。スノーアクティビティに重宝する多数のポケットを備え、リラックスフィットでどんな体型の人でも動きやすく、着心地がいいカッティングに仕上げている。
ジャケットの前身ごろに80g、フードに60g、ビブのヒップと膝にそれぞれ60gのインサレーションを封入し、雪やリフトに接して冷えやすい部位の保温性を高めた細かい気遣いもありがたい。
いずれのモデルに共通しているのが、クラシックな切り返しのデザインだ。ブラックとメインカラーのキレのある伝統的なデザインに、最新の素材と縫製、カッティング技術が融合している。ゲレンデからカフェや街へシームレスに繋げてくれるカジュアルさが、ハードユーザーを虜にする。
これだけの高クオリティーで手に取りやすい価格帯。雪山滑走を愛する人たちを機能面、価格面、フィッティング、デザイン、どの方向からもひとりとして置き去りにしないMHWの強い心意気が伝わってくる2モデルである。
First Tracks™ Jacket
ファーストトラックスジャケット
First Tracks™ Bib
ファーストトラックスビブ
First Tracks™ Fleece Full Zip Jacket
ファーストトラックスフリースフルジップジャケット
Text/Shinya Moriyama
Photo/Shota Kikuchi