2018年、「紀州のドンファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の会社経営者・野崎幸助さんに何らかの方法で覚醒剤を摂取させて殺害したとして、殺人罪に問われた元妻・須藤早貴被告の裁判員裁判が11月18日、和歌山地裁で開かれた。検察側は「被告には覚醒剤を摂取させる機会が十分あった」「資産を得るために犯行に及んだ。極めて悪質」として無期懲役を求刑した。

 弁護側は「検察は被告が覚醒剤を飲ませたというが、具体的な方法を立証しておらず、罪に問うことはできない」などと述べ、無罪を主張。最終意見陳述で、須藤被告は「ちゃんと証拠を見て判断していただきたい」と述べた。

 全ての審理は終了し、判決は12月12日に言い渡される。

 無期懲役とは、期限を定めずに懲役刑に処す刑罰のことで、日本では死刑に次いで重い刑罰だ。ただし、仮釈放されることもある。刑事事件の情報サイト「刑事事件弁護士相談広場」によると、無期懲役の仮釈放までの平均受刑在所期間は31年6カ月という。仮釈放されるとしても長い年月だが、仮釈放されたとしても自由に過ごせるわけではない。

「無期懲役で仮釈放されたとしても、死ぬまで保護観察に付されることになります。保護観察所に月に2回行かなければいけません。長期の旅行や転居にも制限があり、保護観察官からの許可が必要です。仮釈放中に無免許運転などの罪を犯せば、即、刑務所に逆戻りとなります」(司法記者)

 仮に無期懲役となれば、仮釈放されるとしても須藤被告は還暦近くになる。どのような判決が下されるのか、注目したい。

石田英明

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