男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も少なくありません。 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
許せない。けれど離婚を決められない
(写真:iStock)
茜さんは、夫の顔を見るとうんざりする日も増えてきているそう。ため息まじりに、自分の決断力のなさを嘆きます。
「でも生活水準をスパッと下げる勇気も出ないから、結局は今の暮らしをズルズルと続けてきちゃった。
そうは言っても、これ以上の先延ばしはダメですよね。50歳になってから環境を変えるのって、今よりもしんどいんだろうなって気がするんです。
だからぼちぼち、はっきりと決断をしたいんですけどねぇ…。
夫の考え方がイマイチわからないのもあって、離婚するだけの原動力が見つからない。時間を無駄に過ごしているのではと、焦りだけが募ります」
気力はあっても、体力が失われつつあると痛感していると話す茜さん。コロナ禍が明けてからも、バイタリティが湧いてこない自分にも戸惑っているそうです。
以前なら、浮気男を見限って、すぐに新生活へと切り替えられたのにと感じているのだとか…。
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では、夫であるヒロツグさんは夫婦関係をどう捉えているのでしょうか。次回に続きます。
(並木まき/ライター・エディター)