AiかAIか?
つい最近のことだが、Aiの表記は大文字の”A”と小文字の”i”を組み合わせた”Ai”なのか、それとも両方大文字の”AI”なのか、どちらが正しいかということがネットで話題になった。確かにニコンのカタログでは黒い四角の背景に”Ai”と白抜きで記したロゴが当初から一貫して使われている。ところが、ニコン本体が関与している出版物でも”AI”と大文字のみで表記しているものが多く存在しているのだ。例えば朝日ソノラマから1979年に発行された「続・ニコンのすべて」という書籍の中でニコンの設計者がAi方式について解説しているのだが、ここではすべて大文字のみの”AI”となっている。ニコンの社史では75年史は”Ai”だが、100年史では”AI”となっている。他にも同様の例はある。どちらが正しいとも言えないというのが実情のようだ。
豊田堅二|プロフィール
1947年東京生まれ。30年余(株)ニコンに勤務し一眼レフの設計や電子画像関連の業務に従事した。その後日本大学芸術学部写真学科の非常勤講師として2021年まで教壇に立つ。現在の役職は日本写真学会 フェロー・監事、日本オプトメカトロニクス協会 協力委員、日本カメラ博物館「日本の歴史的カメラ」審査員。著書は「とよけん先生のカメラメカニズム講座(日本カメラ社)」、「ニコンファミリーの従姉妹たち(朝日ソノラマ)」など多数。