ランボルギーニは、WEC(世界耐久選手権)から撤退。ハイパーカークラス、そしてLMGT3クラスの両方で参戦を一時終了することになった。
WECは先日、2025年シーズンのエントリーリストを発表したが、そこからはランボルギーニSC63 LMDh、ウラカンGT3 Evo2の名前が消えていた。そしてその後ランボルギーニは、WEC両クラスでのプログラムを“休止”すると発表した。
来季のWECハイパーカークラスは、各メーカー2台のマシンを走らせることが義務化されたが、これによりこれまで1台のLMDhで戦ってきたランボルギーニの参戦継続が難しくなったと言われてきた。実際に彼らの声明でもそれが理由であったと言及されており、新レギュレーションは「ランボルギーニがこの選手権に参戦する上での戦略とは合致しない」という。
声明では「ランボルギーニは選択肢を模索した結果、2025年のWECに参戦しないことを決めた一方、アメリカのIMSAスポーツカー選手権に参戦継続すべく、SC63の開発に専念していくこととなった」と述べた。ただ、今年IMSAでタッグを組んだアイアン・リンクスは来季からメルセデスAMG GT3にスイッチしてWECに参戦することになったが、このことに関する言及はなく、来季のIMSAにどのような形で参戦するかについては説明されなかった。
また「世界最高の舞台で戦うことはランボルギーニ・スクアドラ・コルセにとって名誉なことであり、今後の野望でもある」としており、WEC復帰への意欲も示唆した。
さらにランボルギーニは、WECに参戦しないことで、新型テメラリオのGT3レースバージョンの開発に力を注ぐことができると付け加えた。
来季のWECハイパーカークラスにエントリーしているマシンは18台。2024年開幕時のエントリーと比較すると、1台減った形だ。
その内訳を見ていくと、1台体制のイソッタ・フラスキーニとランボルギーニが姿を消し、これまでポルシェのカスタマーとして参戦していたJOTAがキャデラックと組んで同社のファクトリーチームになったため、2024年のキャデラックファクトリー分のエントリーが減り、合計で3台減。そこにアストンマーティンが新規に2台加わるため、最終的には1台の減少となった。
なおWEC側はハイパーカーとLMGT3あわせて40台のフルグリッドを目指しているが、LMGT3も昨年と変わらず18台のエントリーとなっている。ランボルギーニ・ウラカンの2台は姿を消したが、前述の通り運営のアイアン・リンクスがメルセデスAMGにスイッチして参戦するため、台数は減少しない。
その他のLMGT3勢を見ると、日本のDステーション・レーシングは参戦継続せず、新たにレーシング・スピリット・オブ・ル・マンがエントリーを引き継いでいる。日本勢では佐藤万璃音がユナイテッド・オートスポーツから継続参戦。エントリーリストは名前が空欄となっているチームが多く、注目のバレンティーノ・ロッシがBMWから参戦継続するかどうかも、明らかになっていない。