PTA問題を解決する「はまさぽ」
また、地域との連携でいえば、「はまさぽ」(芝浜Kidsサポーターズ)と呼ばれる芝浜小学校のPTA団体も学校・地域からの依頼に応じる形で学校と地域をつなげる役割を果たしている。活動としては、地域でのお祭りや校内イベントの手伝いなどを行っている。
しかし、従来のPTA組織とは異なる点もある。「はまさぽ」会長の柳澤紀子氏が言う。
「『はまさぽ」は『できる人が、できるときに、できるる力を少しずつ』というコンセプトで、役員の強制なしで、学級代表などもありません。完全立候補の本部役員のみで運営しています。ご協力いただく保護者の皆様は、一切の強制なくご自分のご都合が合うときに選んで来ていただいています」
さまざまな人が住み、人間関係のあり方も変わりつつある都市部では、これまでのように「強制参加」のPTAでは立ち行かなくなる。従来よりもゆるやかな組織にすることで、持続可能なPTAを目指しているのだ。
本記事で触れた港区の事例は極端な事例かもしれない。しかし、タワマンによる人口集中が今後も続いていくことを考えたとき、芝浜小学校の取り組みは今後の都市部での小学校のあり方に対して、1つの示唆を与えてくれるのではないだろうか。
取材・文/谷頭和希