甲斐拓也(インスタグラムより)
侍ジャパンの扇の要はどこへ――。育成出身で福岡ソフトバンクホークスの象徴的な選手である甲斐拓也(32)が、国内FA権を行使した。
「権利行使をするかどうかで、ずっと考えていたようです。試合にもっと出たいという思い、それと自身に対する球団からの評価に納得がいかなかったとみられています」(地元メディア)
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甲斐が納得できなかった「球団からの評価」は、ズバリ「カネ(年俸)」だ。
「ソフトバンクが4年ぶりのリーグ優勝を果たした今季の勝因は、補強です」(同)
近藤健介、有原航平は推定年俸5億円。山川穂高は3億円。甲斐は2億1000万円である。以前から指摘されてきたが、移籍してきた選手の査定が甘く、生え抜きに厳しいホークスの体質は相変わらずだ。
今季119試合に出場し、リーグトップのチーム防御率2.53をアシストした正捕手が、近藤たちの半分以下だ。これでは「生え抜きに冷たい」と言われても当然だろう。
関係者の話を総合すると、「甲斐の悩み」は’20年シーズンから始まったという。同年、チームはパ・リーグ優勝、日本一に輝いたが、甲斐自身は不調で、ファンから「リードミスで負けた」との書き込みもされた。翌年以降も、スタメンを若手に譲る試合も増え始めた。
ホークスは実績より前年の成績ベースで査定
「配球面で失敗すると、引きずってしまうタイプなんです。小久保裕紀監督(53)は気分転換で休ませたのですが、甲斐は必要とされていないと思ってしまう…そんな悪循環でした。プロは競争の世界とはいえ、ホークスは12球団唯一の四軍制です。今季、戦力外を通達された選手の中には二軍のタイトルホルダーもいました。クビと同時に育成解約を打診されましたが、モチベーションの限界を訴える選手も多い」(関係者)
そんな球団に嫌気が差し、外様選手たちへの好待遇も目の当たりにした甲斐が、他球団の評価も聞いてみたいと思う気持ちも分からなくはない。
’11年オフにホークスから巨人にFA移籍した杉内俊哉(現・巨人投手チーフコーチ)も、球団への不信感から涙ながらにホークスと決別した。
ホークスは実績よりも前年の成績をベースにする成果報酬型で年俸を査定するという。その査定が間違っているわけではないが、勤続年数の長い功労者の心を傷つけてしまうようだ。
「週刊実話」12月5・12日号より