F1ラスベガスGPのフリー走行3回目が行なわれ、メルセデスのジョージ・ラッセルがトップタイムをマークした。
開催2日目を迎えた2024年のラスベガスGP。現地時間金曜日18時半から、予選前最後の調整の機会となるFP3がスタートした。気温は15度、路面温度は17.5度と、前日同様寒いコンディションである。
初日の段階ではいずれのマシンもハードタイヤを使わずに温存したが、FP3ではセッション序盤からハードタイヤを投入するマシン多数。しかしいずれも1周のみでピットに戻った。どうも決勝に向けた準備のため、少し熱を入れてゴムの特性を整える、”皮剥き”と呼ばれる走行だったようだ。この皮剥きを行なったのは、メルセデス、アストンマーティン、RBなど。アストンマーティン勢はハード2セットとミディアム1セットを皮剥き、メルセデスとRBはハード2セットを皮剥きした。
ただ、皮剥きを行なうマシン以外には、セッション序盤はコースインするマシンが少なかった。そんな中、レッドブルのセルジオ・ペレスは、ミディアムタイヤを履いて周回を重ねた。チームメイトのマックス・フェルスタッペンも少し遅れてコースインして、周回した。
レッドブルは初日、ダウンフォースレベルに悩んでおり、現場でリヤウイングを削るという強硬策に打って出た。その確認の意味も込めた周回であったと思われる。
セッション開始から20分ほどが経過した頃から、コース上が賑わいはじめる。ここでは各車とも、ソフトタイヤを投入した。一時的に角田裕毅(RB)が首位に立つシーンもあったが、すぐにマクラーレン勢がこれを上回った。
一方でレッドブル勢はミディアムタイヤを履いて周回を重ねた。しかしフェルスタッペンは早々に「タイヤがもう終わった」と訴え、10周でピットに戻った。
セッション前半の30分が経過した時点では、ハース勢が1-2体制を築く。ただ、タイムは1分35秒台と、初日のベストタイムよりも1.5秒ほど遅いままであり、まだまだ勢力図は読めない状況だった。
各車が1セット目のタイヤでの走行を終えた時点では、メルセデスが1-2。初日に続き、メルセデス勢が速さを見せ、フェラーリのカルロス・サインツJr.がこれに続いた。
セッション残り15分を切った頃から、いずれのマシンも2セット目のソフトタイヤを投入。すると一気にペースが上がった。フェルスタッペンがまず1分34秒137を記録して首位に立つと、マクラーレン勢やサインツJr.、そしてラッセルがこれを上回った。
ただセッションの残り時間が7分を切った頃、アストンマーティンのランス・ストロールがターン16〜17のストレート脇にストップしてしまい、赤旗中断となった。
このマシンはなんとか回収され、セッションは残り1分で再開。この残り時間では、アタックラップを行なうには少なすぎたものの、各車コースイン。スタート練習に備えた。
しかしレッドブルのセルジオ・ペレスだけが時間内にコースインできず。ピットレーン出口にマシンを止めることになった。
結局ラッセルがこのセッションをトップタイムで終了。2番手にはマクラーレンのオスカー・ピアストリ、3番手サインツJr.というトップ3だった。
初日2セッション連続で首位だったルイス・ハミルトン(メルセデス)は6番手。角田裕毅は16番手だった。
ただ約半数のマシンがストロールのストップによる赤旗で最後のアタックを完了できなかったため、まだまだ勢力図は読めない、そんな情勢だ。