メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1ラスベガスGPの予選でポールポジションを獲得。自信はあったものの、ポールポジションは予想していなかったとこの結果を喜んだ。
メルセデスはラスベガスGPの初日から高いパフォーマンスを発揮。ルイス・ハミルトンが2セッションともトップとなり、ラッセルもトップ3を維持するなど期待が持てる滑り出しだった。
しかしチームとしてはそんな好調の原因を掴めていない状態。今季は時間が経つごとに相対的なパフォーマンスが落ちていくことも多く、金曜日の走行を終えた段階で両ドライバー、チームともに慎重な姿勢を崩していなかった。
そして迎えたFP3ではラッセルがトップとなったものの、赤旗の影響で全車のアタックタイムが出揃わず、メルセデスの好調が保たれているのかはいささか不透明なまま予選がスタートした。
だがメルセデスのパフォーマンスは失われていなかった。Q1ではラッセルが、Q2ではハミルトンがトップ通過となり、2台共に危なげなくQ3に進出したのだ。
Q3では、ハミルトンがアタックをまとめられずに10番手に終わったのは残念だったが、ラッセルはQ3最初のアタックでトップ。さらに2度目のアタックに向けては、路面コンディションが改善するのを最大限に活用すべく、最後にコースイン。うまくタイヤを温めてアタックをまとめ、見事今季3度目のポールポジションを獲得した。
パルクフェルメで、これほどのペースを持っていると予想していたかと聞かれたラッセルはそれを否定。ポールポジションは信じられないと喜びを語った。
「正直なところ、そんなことないんだ。ポールポジションに戻れるなんて信じられない気分だよ」
「ウイークを通じてとても速かった。Q3の最後のラップに入るとき、これが重要なラップになるとわかっていたんだ。それ以前のことは関係ないんだ」
「最初の走行のあと、フロントウイングをちょっと変更したんだ。その時、アタックができないかもと思った瞬間があったけど、本当に嬉しかった。この週末、なぜここまで速かったのかを理解するために、もっと深く掘り下げていかなければならない」
未だに速さを発揮できている原因は把握しきれていないと示唆したラッセル。コースインを遅らせるという、他車のクラッシュで大失敗になりかねない戦略を採ったことについては、次のように説明した。
「ときにはテーブルの上にカードを伏せなければ行けないときもあるけど、自信があったんだ。クリーンなラップができれば、フロントロウは確保できるってね。だからポールポジションを獲得できたことは素晴らしいよ」
「ここ最近は何度か良い予選ができているけど、それを勝利に繋げる必要がある。ラスベガスはいつも最高だよ。良い雰囲気だし、今からレースが楽しみだ」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、ハミルトンの速さが予選結果に反映されなかったことを悔やみつつ、寒さが好結果の一因だったと主張した。
「今日のマシンは本当に速かった。2台がフロントロウに並ぶはずだったし、そうなれば明日に向けてアドバンテージを得ることができただろうから、ちょっとほろ苦い気分だ」
そうウルフ代表はSky Germanyに語った。
「(寒いコンディションが役立ったのかと聞かれ)それか、我々のクルマが突然速くなったかだね! いや、間違いなく寒さのせいだ。我々は、グリップが少なくてもタイヤの温度を上げることができる数少ないチームのひとつなんだ。スパでも、シルバーストンでもそれが役に立った。でも、どこでも通用するクルマが欲しいんだ」
決勝に向けてウルフ代表は、フェラーリやマクラーレン、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが近い位置にいると考えており、うまくタイヤを使えるかどうかが鍵になると示唆した。
「決勝はみんながとても接近していると思う。フェルスタッペン、フェラーリ2台、マクラーレン2台、ルイス、ジョージの間で、全員が対等な立場になるだろう。全員が左フロントとリヤアクスルの両方に問題を抱えている。楽しみだね」