この画像の中央には、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた矮小不規則銀河UGC 7983が映っています。淡くぼんやりとした形をしたUGC 7983は、おとめ座の方向、約3000万光年の距離にあります。
画像の背景には、渦巻銀河や楕円銀河など遠方にあるさまざまな銀河が映し出されています。また前景にある星のほか、太陽系内にある小惑星も映っています。
画像左上側を見ると、光の筋が縦にいくつか並んでいます。これらは直径数kmしかない小惑星の軌跡です。この画像は4つのフィルタを使って撮影した画像を合成したものです。それぞれのフィルタで撮影された小惑星の軌跡が、4本の光の筋として見えています。
UGC 7983の画像は、天の川銀河から10メガパーセク(約3260万光年)以内にある既知の銀河を全て観測することを目的とした観測キャンペーン「Every Known Nearby Galaxy」の一環で撮影されました。このプロジェクトが提案されたとき、近傍銀河の約75%はハッブル望遠鏡によって撮影されていました。ハッブル望遠鏡の観測の隙間時間を使い、残りの25%の銀河を撮影することが提案されました。
画像は2023年1月16日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されたものです。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully
(参照)ESA/Hubble