元日・日本武道館大会での中邑真輔戦を控える佐々木憂流迦が23日、中邑のインタビュー発言を受けて会見。現在の心境を語った。
人生を変えた2022年1月1日「グレート・ムタvs中邑真輔」から2年後。同じ日、同じ場所での中邑戦が決まった憂流迦。現在は“武道館への道”を噛み締めながら歩いているが、その最中に当の中邑から辛らつなメッセージが届いた。
「甘やかされて育ったんじゃねえの?って思いますよね。お前が今やらなきゃいけないことは、必死にもがき苦しんでせっかく手に入れたチャンスをどうにかこうにか形にすることだろうよ、とは思いますけどね」
「どれぐらい憂流迦は危機感を感じているのかわかりませんが、なんやかんやチヤホヤされてんじゃねえの?とは思いますから。僕が憂流迦の立場だったら崖っぷちというか。このまま平行線を続けても、だらだら続けてても望む未来はやってこないんじゃないの?」
「自分を上げる訳じゃないけど中邑真輔とやれんのか?っていう部分で、じゃあ何残せるんだよお前、って。お客さんも“お前、なにができんだ?”って注目が集まるんじゃないでしょうか。どうせなら、格闘家、プロレスラー、そういうものを取っ払って、素の佐々木憂流迦でくればとは思いますね」
順調に武道館への道を歩んでいると思われた憂流迦だったが、中邑本人からの辛らつな指摘の数々は“図星”だった。「すげえ言ってくれるなと思いましたね。リングの上で照らし合わせる前に、自分が感じてることを全部言ってくれる。全部見透かされてる。甘やかされてる…そう言われたら、何も言えない。僕も感じてるんですよ。感じてるところをズバズバ言われたんで」と正面から受け止め、そして認めた。
そして告白を始める。自身にとっての最大の課題は“心の解放”だという。「自分の“本当のところ”を出すのが苦手。どこかでセーブしちゃう。しっかりタガを外したい。ネガティブな感情を出すのも苦手だし、オブラートに包んで人に伝えてしまうところもある」と“自分をさらけ出す”ことへの抵抗感を口にした憂流迦は、「自分自身が一番苦手にしてきたもの、そこをどうやって突き破れるか。頭で考えちゃうのが先なんで、子どもに戻ったつもりでむき出しでいかないと通用しないと思う」と話した。
そもそも、さらけ出す“自分”そのものがハッキリと分かっていない。「自分が(もともと)持っているものを、いかに大きくしていかないといけない。ハリボテのものなんて、べしゃーん!とやられちゃうと思うんで」と、何をもって中邑と向き合うべきか、自分自身とも向き合う日が続いている。
それだけに「今は心が敏感な状態で、毎日情緒が安定しない」状態で、「本当は今、自分の心を安易に言葉にしたくない」と苦笑い。取材中も「何ができる…? 何ができますか? 何ができるんだろう…」と呪文のように繰り返しながら、しばしば長考した。
それでも「葛藤を抜けた先は“たぎる”んじゃないですか。真輔さんが『ご馳走が来たな!』って思う状況には持っていきたい」と、どうにか言葉を絞り出した。
とにもかくにも中邑からのメッセージによって、ものの見事に“もがきの沼”にハマった憂流迦。もがく過程で何を導き出し、何を爆発させるのか。それともこのまま沼に沈むのか。“答え合わせ”のその時は日々刻々と迫っている。