F1第22戦のラスベガス・グランプリは11月22日に予選が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は7番手という好成績を残した。
フリー走行3回目では18周回で全体16番手となる1分36秒215というベストタイムを計測した角田は、迎えた予選、Q1は1分33秒789で9番手、Q2は1分33秒089で7番手と余裕を持ってクリアすると、Q3でも安定したドライビングでラップを刻み、1分33秒029でマクラーレン勢の間に割って入ってみせた。
ブラジルGP(3番手)に続いての最終ラウンド進出を果たした彼は、チームの公式サイトを通して、「今日は本当に良いパフォーマンスが発揮できて、とても嬉しいです。予選に臨む時点ではQ3に進出できるとは思っていませんでしたが、今週末のスタートから大きく状況を改善することができました」と満足感を示し、チームへの感謝や決勝への意気込みも語っている。
「チームの大きな努力に感謝するとともに、お疲れ様を言いたいです。アップデートをしっかり理解でき、進むべき方向性が見えた後は、セッションごとに改善していくことができています。ライバルたちも良い仕事をしているので、明日のレースは簡単ではないと思いますが、とりわけ市街地サーキットでは何が起こるか分かりません。集中を切らさず、できる限りのことを尽くしたいと思います」
またメディアのインタビューでは、「チームとして、最初のフリー走行で最後尾(角田が19番手、リアム・ローソンが20番手)だったところから、このような状況まで持ってこられたのは、とても良いことです。セッションを重ねるごとに状況を好転させるというのは、どのチームにもできることではありません」と、ここでもチームの仕事を称えている。
さらに、「将来的にまた同じようなことがあったとしても、過去にそれを成し遂げたという実績があるので、自信を持つことができると思います。チームに本当に感謝しています。ハースやピエール(・ガスリー/アルピーヌ)は素晴らしい仕事をしていますし、コンストラクターズ・チャンピオンシップ争いで彼らに近づけるようにしなければなりません」とも続けた(フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』より)。
一方、RBのマシンパフォーマンスの責任者、ギョーム・ドゥゾトゥーは「エンジニアリングチームが素晴らしい働きを見せ、車の挙動をあらゆる面から分析し、バランスとスピードを改善する変更点を見つけてくれた。ユウキの予選7番手という結果はこれらの努力に対する報酬であり、レースに向けてチームの士気を高めるものとなった」と、こちらもチームとしての大きな成果だったことを強調している。
【動画】「レッツゴー、ベイビー!」角田裕毅がQ3進出で無線もご機嫌! F1公式サイト『F1.com』は「角田は力強い走りで7番手に入った」と伝え、各国専門メディアの報道では、ポーランドのF1専門サイト『dziel pasje』が「RBにとって今予選は比較的成功したものとなった。その理由のひとつは、ドライバーのひとりがQ3進出を果たしたことである。今季11回目となるこの快挙を達成したのは角田で、彼自身もこのような成功を予想していなかった」と綴った。
そして、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』はレッドブルのドライバー人事に言及する中で、今予選でセルジオ・ペレス、フランコ・コラピント、ローソンが苦戦したこともあり、「レッドブルのドライバーに関する意思決定は今季、レースごとに大きく変わる傾向にあるが、ラスベガスでの週末だけから判断すると、角田が再び比較的最良の選択肢に思える」との見解を示している。
構成●THE DIGEST編集部
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