女子プロ、優勝争い後に“大慌てで移動”!一体なぜ…?

11月、ロッテ選手権はホノルル空港から西へ車で約30分ほどの住宅地にあるホアカレイCCで開かれた。前週は日本のTOTOジャパンクラシック、翌週はフロリダでのアニカ・ゲインブリッジというスケジュールの間の開催で、場所も日本とアメリカの中間にあるハワイと、一見すると移動もスムーズにできそうだが、国内線とは言えハワイからフロリダまでは飛行機で10時間以上もかかる上、直行便はない。なかなかの長距離移動だ。

第21回コラム ハワイからの移動は大慌て!畑岡奈紗の大移動

ロッテ選手権に出場し、日本勢で最上位の単独4位で終えた畑岡奈紗は、最終日、ホールアウトするとT V局や記者のインタビューもそこそこに、大慌てで会場を後にした。優勝争いを展開して上位フィニッシュしたのに、どうして? 実は、ホールアウトした時刻が16時30分。その時点で乗るはずの飛行機の出発時刻まで2時間を切っていたのだ。

アメリカで飛行機に乗る場合、航空会社にもよるのだが、出発カウンターでのチェックインが出発時刻の45分前を過ぎると搭乗できなくなるというルールがある。畑岡が予約していた飛行機の出発時刻は18時20分。荷物をまとめてホノルル空港まで移動することを考えると、かなりギリギリのタイミング。渋滞に泣きこまれれば、アウトだ。

すでにホテルはチェックアウトしており、ロッカールームの荷物も片付け終えている。マネージャーの運転で大急ぎで空港に向かい、最終的にはなんとか飛行機に乗ることができた。

ところで、なぜこんなにもギリギリの便を予約していたのだろうか? 畑岡は自分で飛行機の予約をしている。席も快適で値段もリーズナブル。そんな便を予約したのは、調子が悪かった今年の夏のことだったのだ。

ハワイから米国東海岸への航空便は、東京=大阪のように頻繁には飛んでいない。値段も早めに購入すれば割安で済むが、出発直前に購入すれば高額になる。畑岡が利用する航空会社は、その日、18時台と23時台の2便があったが、調子の悪かった時期に予約したこともあり、早目にスタートする下位の順位を思い描いていたのかもしれない。

ロッテ選手権で優勝争いできる順位でプレーできたのは、嬉しい誤算だった。上位選手はスタートが遅い。ホールアウトの時間も遅くなる。三日目を終えた時点で18時台の便に乗るのは時間的に厳しくなるが、出発を翌日に控えた時点で23時台の便へ変更するには、お金がかかるだけでなく、良い席も残っていたなかったのだ。そこで、一か八かで18時台の便に乗ることにした、ということだったのだ。

「優勝していたら、飛行機は変更していたと思います」

と、母の博美さんは語るが、米ツアーでの移動は、やはり大変だ。

フォトグラファー 田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行なっている。

取材・写真=田辺安啓 
TEXT & PHOTO Yasuhiro JJ TANABE