【加工されたレザー】

ヌメ

動物の皮革にタンニン鞣しを施した後に着色や表面加工などを行わないレザー。マットな質感と飴色へと変化する独特の経年変化が魅力。

ガラスレザー

表面に樹脂によるコーティングを施し、水や汚れに対する耐久性を高めるための加工したもの。強い光沢が特徴で、ビジネスシューズに多く使われることが多い。

スウェード(ラフアウト)

鞣した革の裏面をサンドペーパーなどで起毛させたレザー。表面積が大きいため撥水性が高く、温かみのある表情も魅力だ。

ヌバック

裏面を加工するスウェードとは異なり、革の銀面(表側)をサンドペーパーなどで起毛させたもの。毛足が短く、滑らかな手触りが特徴だ。

型押し

文字通り模様が型押しされたレザーをいう。プレス機によって加熱・加圧することで、表情豊かなシボを形成したり、様々な模様が表現できる。

ブライドル

特別な鞣しを施した牛革。天然の油分やワックスを多く含んでおり、柔らかい。白い粉は使用を重ねることで薄くなっていく。

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【ブランドレザー】

この世に存在する数多の革の中でも「ホーウィン社のシェルコードバン」のような、いわゆるブランドレザーを耳にすることもしばしば。そこで、覚えておきたい基本中の基本となるタンナーを紹介する。

新喜皮革|日本で唯一、コードバンを原皮から仕上げまで行う馬革専門タンナー。

旧くから地場産業として革鞣しが行われてきた姫路市において、日本で唯一、コードバンを原皮から仕上げまで行っている馬革専門タンナー。1951年に「新田商店」として創業し、コードバン製造のノウハウを培うと、98年に社名を「新喜皮革」に改め、本格的にコードバン仕上げを開始した。現在は自社ブランド〈The Warmthcrafts-Manufacture〉においてコードバンとホースハイドをメインに使用した財布やベルトなどを製作。コードバン製造の第一人者として、世界から高い評価を受ける国内屈指のタンナーとして不動の地位を築いている。

ホーウィン|世界最高の名を欲しいままにするアメリカの老舗タンナー。

1905年にアメリカはイリノイ州シカゴにて創業し、100年以上ものあいだ、家族代々で経営してきた老舗。アメリカ靴の王様〈オールデン〉に代表される、名だたるブランドに革を供給する世界的タンナーだ。「シェルコードバン」や「クロムエクセル」など、同タンナーの代表的な革は、レザー好きであれば1度は聞いたことがあるに違いない。約90日かけてたっぷりとオイルを染み込ませる仕上げ前の工程や、表面にツヤを持たせるためのローラーで革を擦っていく“グレージング”など、伝統的なレシピを継承し、上質なレザーを作り続けている。

SBフット|レッドウィングを支える自社タンナー。

「レッドウィングタンナリー」とも呼ばれる同ブランドの自社タンナー。塩漬けをしていない原皮のみを使用するなど品質と耐久性にこだわったレザーを生産している。

栃木レザー|ジャパンメイドで継承し続ける昔ながらの製法。

日本のみならず世界中で絶大な支持を受けている国内タンナー。国内でも希少なベジタブルタンニン鞣し専門のファクトリーとして高品質なヌメ革を製作している。

ワインハイマー|ドイツの老舗から受け継いだ伝統の製法。

ドイツの老舗タンナー、カール・フロイデンベルク社の伝統を引き継ぐ人気タンナー。写真はフランス原皮のカーフを使用したボックスカーフ「G-BOX」。

グイディ|自社ブランドも展開するイタリアの老舗。

120年以上の歴史を誇り、2004年には自社でのシューズコレクションを発表。写真は染色時に大量のオイルを投入し、素揚げに近く仕上げたカーフレザー。

アノネイ|トップメゾンの生産を請け負うフランスの実力派。

エルメス傘下の企業として、多くのトップメゾンへと革を供給する最高級のカーフ製造タンナー。写真はクローム鞣しで仕上げた美しい質感のボックスカーフ。

デュプイ|世界最高峰のカーフ専門タンナー。

“キングオブタンナー”と称されるほどの実力を持つフランスの老舗。写真は同社のボックスカーフの中でも代表的なサドルカーフ。マットで柔らかな質感が特徴である。

(出典/「Lightning 2024年12月号 Vol.368」)