これも人手不足の影響なのだろうか…。牛丼チェーン「松屋」の客に対する“お願い”が、SNS上で物議を醸している。
現在、松屋の一部店舗では、食べ終わった後の食器を客が自ら返却口まで運び、残り物、食器、飲み残し、コップ、箸・スプーンを細かく「仕分け」して返却するシステムが導入されている。今時セルフサービスの店は珍しいわけではなく、食器を下げるくらいは大した手間ではないが、その後の細かい仕分けまでやらされるとあって、一部の客からは「めちゃくちゃ面倒くさい」「客に食器の仕分けさせるなら、もっと値段を下げろよ」「下膳するところが見栄えが悪くて引く」などと、極めて不評なのだ。
松屋では券売機で注文した後、客は席で料理が出来上がるのを待ち、カウンター上の画面に自分の番号が表示されたら、自らカウンターで受け取るシステムが導入されている。他方、吉野家はコの字型のカウンターで口頭で注文し、食べ終わったら食器はそのまま会計して退店する方式の店が多い。また、すき家は券売機やタブレット注文だが口頭でも可能で、食事後の食器はそのままで退店する。
客に片付けや食器の仕分けをお願いすることで、従業員の作業負担が減るのは間違いないが、一方で乱雑に食器が置かれた返却口に「不衛生感」を感じるという意見があるのも事実だ。
「松屋は現在、牛めし並が430円でみそ汁が付くので、3大チェーンの中で最も安い。ですが、定食や他の丼物の値段は街の定食屋と変わらないレベルです。それで食器の片付けや仕分けまでしなければならないとなると、足が遠のいてしまうという人もいるでしょうね」(フードライター)
人件費・材料費の高騰と人手不足が進む中、今後もセルフ方式の店が増えていくことが予想される。将来は仕分け作業がオートメーション化されることも考えられるが、それまでは客側もある程度受け入れていかなければならないのかもしれない。
(ケン高田)