愛知県・岐阜県を舞台に開催されている世界ラリー選手権(WRC)最終戦ラリージャパン。最終日となるDAY4午前のループを終え、トヨタのエルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合首位に立った。
11月21日(木)に開幕したWRCラリージャパン。ここまではヒョンデのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組が総合首位で、総合2番手のエバンスに対して堅実なリードを保っていた。
DAY4もこのままタナクが総合首位で走り切るかと思われたが、この日1本目のSS17 額田でまさかの事態。フィニッシュ直前の右コーナーでダートに足を取られ、そのまま激しいクラッシュを喫したのだ。
タナクはマシンを再始動することができず。幸いドライバーとコドライバーに大きな怪我はないようだが、ここまでトラブルフリーで完璧に近い走りを見せていただけに、落胆を隠せない様子だった。なお、同じポイントではRally2に参戦していた全日本ラリー選手権(JRCA)王者ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組もクラッシュを喫しリタイアとなった。
Rally1のタイトルを争うライバルがラリーから姿を消したことで、ヒョンデのティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組のドライバーズ/コドライバーズタイトルが確定した。年間2位5回という不名誉な記録を持つヌービルとしては、この瞬間に念願が叶った。
またタナクの戦線離脱によって、ラリージャパンの総合首位にはエバンスが浮上。SS17最速はヒョンデのアンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン組だった。
SS18三河湖では、今季のタイトルを決めたばかりのヌービルが、プレッシャーから開放されたかのようにステージ優勝。午前のループを締めくくる額田ステージでの2走目SS19でもヌービルの勢いは止まらず、トヨタのセバスチャン・オジェ/ヴァンサン・ランデ組と11分51秒9の最速タイムで並んだ。
エバンスはSS18とSS17をステージ4位で走りきり、降って湧いた総合首位をキープした。
総合5番手でDAY4を迎えたトヨタの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組は、引き続きチーム戦略として控えめの走り。SS17とSS18、SS19をステージ6位を終えた。タナクのリタイアによってによって、総合順位では4番手に浮上した。
DAY4午前のループを終えて、残すは2ステージ。マニュファクチャラーズタイトル争いではトヨタがヒョンデが553ポイントで並んだが、今年はスーパーサンデーとして日曜日の順位に応じてポイントが与えられる他、最終パワーステージでのボーナスポイント獲得のチャンスも残されている。戦略面でスピードを抑えてきた勝田としても、最終パワーステージでは”フルプッシュ”に切り替えるかもしれないと示唆した。