クリスマスが近づくと、赤い衣装に白いひげ、ちょっと恰幅の良い初老の男性でお馴染みの、サンタクロースを思い浮かべるのではないだろうか。しかし元々はサンタクロースに固定の人物イメージはなく、太っていたり痩せていたり、衣装の色もバラバラだったのだ。
サンタクロースの姿は「コカ・コーラ」が作り出していた?
(画像はイメージ)
●サンタクロースと「コカ・コーラ」の深い歴史
ザ コカ・コーラ カンパニー(米国本社)は、1920年代に「コカ・コーラ」のクリスマスシーズンの広告としてサンタクロースを掲載。当時のサンタクロースは“厳格なそうな男性”のイメージが一般的で、現代の“陽気なおじさん”とはかけ離れた姿で描かれていた。
そのイメージは、1931年の「コカ・コーラ」のクリスマスキャンペーンでがらりと変わることになる。当時の「コカ・コーラ」の広告アートを担当していたハッドン・サンドブロムという人物が、現在の姿に近いサンタクロースを広告に描いたのだ。そして「コカ・コーラ」が世界に進出するに伴って、このサンタクロースの姿もどんどん浸透していったと言われている。
ちなみに現在よく知られているサンタクロースのモデルは2人おり、1人はハッドン・サンドブロムの友人の営業マン。彼が亡くなった以降、ハッドンは途中から自身をモデルにして、鏡や写真を見ながらサンタ像を作り上げた。
現在定着しているサンタクロースの姿が、一企業の広告キャンペーンとして生み出されたものという意外な事実。世界規模で展開するコカ・コーラの、底知れない影響力が伺い知れる事例と言えるだろう。(フリーライター・波多野陽介)
■Profile
波多野陽介
学生時代からクイズ好きで、卒業後からフリーライターとして活動中。世の中の様々な雑学、トリビアを中心にオールジャンルの記事を手掛けている。知識量を増やすべく日々リサーチ中。