朋栄:機能統合型ライブ制作システム「FOR-A IMPULSE」を展示。各種機器の機能をソフトウェア化し、ノードとして共有プラットフォームに集約[Inter BEE 2024展示レポート]

朋栄は今年もInter BEE 2024に出展。ブースの面積は、昨年の25小間から今年は30小間に拡大して、多数の製品をゆっくり見られるようになっていた。その中でも大々的に紹介されていたのが今年のInter BEEでデビューをしたソフトウェアベース機能統合型ライブ制作ソリューション「FOR-A IMPULSE」の展示だ。

朋栄は映像制作環境へ向けて多くの専用製品単体製品の開発中のメーカーだが、FOR-A IMPULSEはその機能をソフトウェア化、共通プラットフォーム上で動作させることをコンセプトに開発したソフトウェア・デファインド製品だ。フォーマットの入出力や放送に必要な、プロセッサー、ビデオスイッチャー、マルチリアテロップ、ビデオサーバーなどを組み合わせて、柔軟かつ自由度の高いシステムと運用を実現できるという製品だ。

FOR-A IMPULSEを導入することにより、専用機器を減らしたり、メンテナンスや保守バックアップ、あるいは年に数度しか利用しないような機材の効率化が可能になる。また、プラットフォームの稼働率を向上させ、効率的な運用を行うことが可能になりそうだ。最終的にはFOR-A IMPULSEのみでシステムを構築することや、一部をクラウド環境へ移行することも段階的に可能と考えているという。

写真中央がIMPULSEのサーバー。これまでスタジオでは、カラーコレクター、スイッチャーなど、ばらばらに用意していた周辺機器をすべてIMPULSEの中で実現できるというイメージの製品だ

また、構造を後から変更できるため、過剰な初期投資を抑える期待もできる。複数の構造を同時に稼働させることができるため、機材の持ち出しや移動を減らし、効率的な制作が可能になる。不要な機能を利用しないことで、コスト削減に繋がるオプション販売プランを検討しているとのことだ。

Graph Editorの画面。様々なノードを自由に組み合わせることで、用途に合わせた処理パイプラインを視覚的に構築できる

Scene Editorの画面。レイヤーや画面構成を自由に設定することで、映像機器の性能に左右されずに、クリエイティブな映像演出が実現可能