フェルスタッペン、苦しい1年を戦い抜いた4連覇は”誇り”「ある意味、とても特別で美しいシーズンだ」

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1ラスベガスGPを5位でフィニッシュ。タイトル争いのライバルであるランド・ノリス(マクラーレン)より前でレースを終えたことで、F1ドライバーズチャンピオンシップ4連覇を果たした。

 ノリスに62ポイント差を受けてラスベガスに乗り込んだフェルスタッペン。このレースでノリスにその差を59ポイント以下に縮められなければ、ここでタイトルを決められるという状態だった。

 フェルスタッペンはレース序盤、快調にポジションを上げて2番手まで浮上するも、その後メルセデスのルイス・ハミルトンやフェラーリ勢に抜かれ、5位でフィニッシュ。しかしレースペースが上がらなかったノリスが6位となったことで、フェルスタッペンの戴冠が決まった。

 レース後のパルクフェルメで今どんな気持ちかと聞かれ、フェルスタッペンは「長いシーズンだった」とこぼした。

「もちろんシーズン序盤は素晴らしかった。ほとんどクルージングしているようなものだったからね。でもそれから厳しいレースが続いた。だけどチームとして、僕たちは団結し続けた。改善に取り組み、ついにラインを超えた。みんなを誇りに思うよ。みんなが僕のためにしてくれたことをね」

「4度のワールドチャンピオンとしてここに立つことは、もちろん、僕には想像もできなかったことだ。だから、今はある意味でホッとしているけど、同時にとても誇りに思っている」

 17歳でF1デビューしたフェルスタッペンは11年目のシーズンで4度のチャンピオンを獲得した。デビュー当時にこんな結果を想像していたかと聞かれると、フェルスタッペンは「絶対にそんなことないよ」と話した。

「ただそこにいられることがうれしくて、勝利や表彰台の可能性を夢見ていた。普通、それを達成するのも非常に難しいんだ。そしてもちろん、数年間の厳しい挑戦の末に、もちろん数年間の厳しい挑戦の末に流れに乗ったんだ。そして、新しいコンセプトで走り出したんだ」

「今言ったように、4度の世界チャンピオンに輝き、ここに立っていることは信じられない」

 今季のフェルスタッペンは開幕10戦で7勝をマーク。22戦19勝を挙げた2023年のように、圧倒的なシーズンを送るかと思われた。しかしそこからマクラーレン勢に追い立てられるなど、レッドブルの勢いは失われた。

 フェルスタッペンのシーズン8勝目は、第21戦のサンパウロGPでの17番グリッドからの大逆転勝利まで待たなければならなかったが、その間もフェルスタッペンはシーズン前半で築いたリードを少しずつ切り崩しながら、最大限のパフォーマンスを発揮した。

 ここ数年で最も競争の激しいシーズンを振り返るように求められたフェルスタッペンは「とてもチャレンジングなシーズンだった」と語った。

「ひとりの人間としても、とてもチャレンジングな時があったし、冷静でいなければならなかった。もちろん、ある意味で昨年の方が良かったと思うこともあるけど、今シーズンは間違いなくとても誇りに思っている。チームとしてもうまく対処できた。だからある意味、とても特別で美しいシーズンでもある」

 

 ファンとチームへのメッセージを求められたフェルスタッペンは次のように語った。

「いつもどこでも応援してくれているのを見るのは素晴らしいことだよ。昨年は勝ってばかりだったからちょっと甘やかされていたかもしれないけど、今年はシーズン半ばに長い間待たせてしまった。でもF1は本当に信じられないスポーツだ。またここで再会できて嬉しいよ」

「チームのみんなには、何と言えばいいんだろう? サーキットで、そしてファクトリーで、常に全力でプッシュし続け、タイトルを争うためのマシンを僕に与えてくれて、4回連続でチャンピオンを達成できたことは、とても特別なことなんだ」

 2024年はレッドブルが追いつかれ、フェラーリやマクラーレン、メルセデスもワンツーフィニッシュを経験する群雄割拠の時代に突入した。現行ルール最終年である2025年はさらに接戦が予想される。

 今後もF1に対してハングリーな気持ちを持ち続けることができるのか、と聞かれたフェルスタッペンは、まずは今季残りの2レースをうまくこなしたいと語った。

「今の段階で来年を見据えた場合、多くのマシンが入り乱れての戦いになると思う。でもそうだね、僕はハングリーだし、もちろんそれを楽しむつもりだけど、同時にまだ今季は2レース残っているから、それをうまくこなしたいと思っている」