7番グリッドスタートも、苦しい苦しいレースを強いられた角田裕毅。しかしペレスを抑え切り9位確保「FP1から良いマシンを手にできれば……」

 RBの角田裕毅は、F1ラスベガスGPで9位フィニッシュ。厳しいレースを戦い抜き、コンストラクターズランキング6位を争う中で、実に貴重な2ポイントを手にした。

 角田は予選で素晴らしい走りを見せ、7番グリッドを獲得。速いマシンを手にしながらも予選でミスをし、後方から追い上げてきたルイス・ハミルトン(メルセデス)には抜かれたものの、ピットでピエール・ガスリー(アルピーヌ)を攻略するなどして、終始7番手のポジションを維持していた。

 しかしレース終盤には苦しんだ。マクラーレンのオスカー・ピアストリにアンダーカットを許しただけでなく、3セット目のタイヤではペースを上げられず、ハースのニコ・ヒュルケンベルグに抜かれ、さらに最終盤にはレッドブルのセルジオ・ペレスから厳しくプレッシャーをかけられた。

 しかし角田はペレスの猛攻を凌いで9位フィニッシュ。2ポイントを手にした。レース後に角田は次のように語った。

「かなり厳しいレースだったと思います。チームとしては、レースウィークを通じてかなり良い進歩を遂げたと思いますが、ハースやアルピーヌと比べると、まだいくつか足りない部分があったと思います」

「それも含めて、ポイントを獲得できたのは良かったです。特に最終的にはダメージを最小限に抑え、ピエールよりも上位でフィニッシュできました。自分としてはベストを尽くせたと思います」

 今回のレースの結果、コンストラクターズランキング6位争いはいよいよ混沌としてきた。現在ランキング6番手なのはハースでここまでの獲得ポイントは50。以下7番手アルピーヌで49ポイント、8番手RBで46ポイントと、わずか4ポイント差の中に3チームがひしめく大混戦だ。

 残りの2グランプリで逆転するために必要なマシンを手にすることができたと思うかと尋ねられた角田は、次のように語った。

「間違いなく、もっと正確にならなければいけません。今週末はFP1から、最後の瞬間までマシンをより良いモノにしていくことができました。でも、理想的にはFP1から良いマシンを手にして、自信をもって走りたいんです。そういうことは、間違いなく最後のほんの僅かな差に繋がります」

「現在、予選でのパフォーマンス差は実に僅差です。だから、もっと正確である必要があると思います。でも僕自身に関しては自信を持っています。厳しい戦いになると思いますけど、やり遂げなければいけないんです」

 角田は次のカタールGPは、RBにとって厳しいコースになると考えているようだ。しかしそれでも、コンストラクターズランキング6位を手にするために、ハースとアルピーヌより前でフィニッシュすることを目指すと、角田は言う。

「カタールは間違いなく、僕らにとっては最も難しいコースのひとつになると思います」

 そう角田は言う。

「カタールにようなコースでは、直線スピードが非常に重要です。そういうところでは、僕らは苦しむ傾向にあります。逆に彼らは、そういうところで良いパフォーマンスを発揮するんです」

「カタールは、僕らが乗り越えなければいけない大きな山のひとつです。特にハースとアルピーヌの前でゴールしなければいけません。だから、非常に難しいレースになるでしょう」

 今回投入されたアップデートの効果は、まだ分からないと角田は言う。しかし、1/100秒でも削ることができれば、重要な要素になると考えているようだ。

「結論を出すのは、本当に難しいと思います。ここは特殊なコースですし、昨年はうまくいきませんでした」

「でも今年、アップグレードがなければ、0.1秒か0.05秒程度遅かったと思います。でもその僅かな時間でも、予選で大きな影響があったのは間違いありません。ほんの僅かな差でも、今のフィールドでは非常に重要です」

 残りは2レースとスプリント1戦。これで今季のランキングが決する。RBを牽引するという立場にいる角田には、ますます逞しさも感じられるようになってきた。

「今回のようなことは、僕がやらなければいけないことだと思います。前戦も今回も、僕は力強いペースを見せることができました。僕と他の選手の間の状況……というだけではないんです。色々なことがありましたからね」

「カタールに向けて、できる限りの準備をしなければいけません」