“やっちまった”タナク、僚友ヌービルにWRCタイトル明け渡す痛恨クラッシュは「マジで大惨事」

 ヒョンデのオット・タナクは、結果的にチームメイトのティエリー・ヌービルに今季の世界ラリー選手権(WRC)ドライバーズタイトルを明け渡すこととなったラリージャパン最終日のクラッシュについて“大惨事”だと表現した。

 タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組はラリージャパン最終日を、トヨタのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組に対して38秒のリードを持ってスタートしたが、その日最初のステージとなるSS17の終盤で痛恨のクラッシュを喫した。なおタナクと同じ右コーナーでは、Rally2に参戦する元F1ドライバーのヘイキ・コバライネンもクラッシュに見舞われた。

 タナクは最終戦を制しても、ヌービルがスーパーサンデーで2ポイントを獲得すればタイトル獲得という崖っぷちの状態でラリージャパンを迎えたが、一縷の望みはあっけなく消え去った。

 また土曜日までの総合順位で与えられるポイントは、ラリーを完走することが条件となるため、タナクのクラッシュによってヒョンデは大量得点獲得のチャンスを失った。

「ちゃんと大惨事だ。他の言葉では言い表せない。どう言えばいいのか難しいよ」とタナクはうつむきながらそう語った。

「どういうわけか、このコーナーがスリッピーなコンディションになっているとは思っていなかったし、コーナーに進入した瞬間にフロントがながれてしまった。見ての通りコースから大きく外れて、復帰はできなかった」

 そしてチームメイトのヌービルが初のWRCタイトルを獲得したことについて「彼にとって素晴らしいシーズンであることは間違いないし、高い一貫性があって非常に良くマネジメントしていた」と語ったタナク。このアクシデントがヒョンデのマニュファクチャラーズタイトル争いにおいてどのような影響を与えたかについて、次のように語った。

「正直に言うと、完全にやってしまった。あってはならないことだった」

 ヒョンデとトヨタのマニュファクチャラーズタイトル争いは最終パワーステージまでもつれ込み、最終的に3ポイント差でトヨタがタイトル防衛に成功。タナクのクラッシュが結果的に大きな影響をもたらした。