東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。 今回は『まぶた(瞼)のたるみ』について、目元の美容専門医師の増田えりかが解説いたします。
まぶたは特殊なパーツ
(写真:iStock)
【「美容医療」お悩み一発回答!】
前回の目の下に続き、今回は目の上、『まぶた(瞼)のたるみ』について取り上げます。
目の上のたるみがあると若い頃より二重の幅が狭く見えたり、お化粧がしにくかったり、夜になるとまぶたが重くて家事に支障をきたすようになったり、生活の質に直結するお悩みがよく聞かれます。
まぶたのたるみは私の専門分野です。40代以上の皆さま向けに、まぶたのたるみの原因と予防法を具体的にお伝えしていきたいと思います。
まずは、まぶたはお顔のほかのパーツとは違う「特殊な部位」だと理解してください。
皆さんはおでこのシワが気になって、シワが寄らないように手で押さえてみたら、まぶたが重い、目が開けにくい、二重が潰れるなど感じたことはないでしょうか。
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おでこ、まぶた、眉毛は“一体”
(イートップクリニック提供/無断転載禁止)
おでことまぶたは眉毛を介してつながっています。表情癖や顔の老化などによって眉毛の位置が下がると、まぶたの重さやたるみになるだけでなく、眉毛の可動域はとても広いので、一体になっているおでこの皮下組織が緩みやすくなり、日常生活で笑ったり、悩んだりを繰り返すことで、シワが生まれるのです。
写真は私ですが、眉間にシワを寄せた時と眉毛を上げた時で大きく位置が移動します。まぶたとおでこは一体なので、おでこが下がってくると当然、まぶたにも影響が表れるのですよね。
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ボトックス治療が向いていない人もいる
患者さんの中にはおでこのシワを改善させるためのボトックスを希望されても「まぶたが重くなるタイプなので、適応がありません」と施術できない診断になるケースは珍しくありません。
眼瞼下垂(がんけんかすい)の症状が強く、日頃から目を開けるためにおでこの筋肉(前頭筋)を無意識に使っている人などは、ボトックスを打つことで目が開けにくくなり、日常生活に支障が出てしまう場合も…。
手の平でおでこを覆って前頭筋が動かないようにした状態でまぶたが無理なく上がるかどうか。セルフチェックをやってみるのもいいでしょう。
最終的にクリニックで診断を受け、ボトックス治療が向いてない場合でも、まぶたの皮膚を切除する眉下切開でおでこのシワは消せるので、安心してください。
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おでこが下がらない美容医療的予防法は…
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逆に、ボトックスが適している人はまぶたのたるみがなく、おでこを使わなくても目が開けられるタイプです。まぶたは、隣接するおでこのたるみが直に影響するパーツ。それが、特殊な部位であるゆえんです。
美容医療でおでこを下げないようにする予防法は、定期的なHIFUや高周波がおすすめ。おでこの筋肉や皮膚を引き締めることでたるみにくくします。
眉毛を下げる方向に動かす筋肉(皺眉筋や眼輪筋、眉毛下制筋など)の力を弱めるための、眉間や目尻のボツリヌストキシンも効果があります。シワ予防にもつながり、私も3カ月に一度、受けています。