離婚まで、どれくらいかかる?

証拠が集まったら、弁護士の先生に依頼すれば、あとはお任せになりますか?

例えば、交通事故などの案件では、「何月何日の何時何分に事故が起こった」という事実があれば、弁護士だけで動くこともある程度はできます。ただ、離婚案件の場合は、弁護士に頼んだらあとはお任せ、ということにはなりません。

それは、当事者のお二人にしか分からない事実が多いからです。ご本人に陳述書を作成していただく場合も多いですし、訴えが出てくる度に、内容を確認する必要があります。相手が「3年前の正月に、家庭内で事件があった」と主張してきたら、弁護士は依頼者に「こう相手が主張していますが、どうですか? 」と確認をします。

このように、弁護士に依頼して終わりではないのが、離婚案件です。そのあたりは、心の準備をしてもらった方が良いかと思います。

だいたい離婚まで、どれくらいかかりますか?

ケースバイケースではあるのですが……調停にもならず話し合いで終われば短くて済みますが、調停は1年ほどかかるケースが全体の30%ほど、2年以上かかるケースも1%ほどあります。

裁判になると、司法統計によれば半年から2年くらいが多いです。

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サレ妻へのメッセージ

離婚を考えるサレ妻のみなさんに、メッセージをいただけますか?

「夫婦」と言っても、赤の他人です。すべての人が運命の相手を選ぶ審美眼を持っているわけではありませんし、ご自身の性格が「結婚」という制度自体に合わなければ、なかなか難しいと思うのです。だからこそ、「離婚」は誰にでも起こりうるトラブルです。とても大変ですが、自分を見つめなおす機会にもなるのではと思います。

例えば、離婚をきっかけに、サレ妻さんの方が「自分にも悪いところがあった」と反省をされることもあるんです。そういう方は、思い切って離婚をしても、次はうまくいくんじゃないかな? と、個人的には思います。

実際に修羅場の取材をする中で、サレ妻さんから「でも私も悪いところがあったと思うから……」というセリフを聞いたことがあります。長谷川先生のお話を伺い、自分にも悪いところがあったと言っていたサレ妻さんは、今は幸せになっているということを思い出しました。運命の相手は簡単には見つからない! 離婚の先に、幸せが待っているのかもしれません。

長谷川 裕雅(はせがわ ひろまさ)

弁護士・税理士(通知)

早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、朝日新聞記者に。ジャーナリストから弁護士に転身。

現在は、法務と税務の両面から相続問題を総合的に解決できる数少ない専門家として、相談者から絶大な信頼を得ている。主な著書に『磯野家の相続(令和版)』『最新版 磯野家の相続税』『磯野家の相続 リタ~ンず』『不倫の教科書 既婚男女の危機管理術』など多数。