今季のフィラデルフィア・セブンティシクサーズは、一昨季のMVPでリーグ最高級のビッグマンのジョエル・エンビードと昨季のMIPタイリース・マキシー、万能戦士ポール・ジョージのビッグ3を形成し開幕を迎えた。
しかし、蓋を開けてみればエンビードとジョージが左ヒザのケガ、マキシーもハムストリングの負傷で離脱するなど、開幕15試合を終えて3選手が揃って出場したのは1試合のみ。
チームは現地時間11月20日(日本時間21日、日付は以下同)のメンフィス・グリズリーズ戦に敗れて今季2度目の5連敗を喫し、イースタン・カンファレンス最下位に低迷に沈んでいた。
それでも、エンビード(左ヒザの腫れ)とジョージ(左ヒザの骨挫傷)不在で臨んだ22日のブルックリン・ネッツ戦では113-98で勝利し連敗をストップ。23日の時点でイースト14位の3勝12敗(勝率20.0%)としている。
現時点では今季最大の期待外れチームとなっているが、ベストメンバーが揃わないなかで奮闘しているのがマキシーとジャレッド・マケインだ。ネッツ戦ではマケインが30得点、5リバウンド、3アシスト、2スティール、フィールドゴール成功率55.0%(11/20)、3ポイント成功率54.5%(6/11)、マキシーが26得点に4リバウンド、5アシスト、4スティール、フィールドゴール成功率64.7%(11/17)、3ポイント成功率50.0%(3/6)を残して勝利の立役者となった。
今年のドラフト1巡目16位でシクサーズから指名されたマケインは、ここまで15試合の出場で平均16.5点、2.3リバウンド、2.7アシスト、3ポイント成功率42.7%(平均2.5本成功)と奮闘。20日に『NBA.com』が公開したルーキーランキングでは前週の5位から1位に浮上し、新人王候補にも挙がっている。
マケイン(191㎝・88㎏)と先発バックコートを組むマキシーは(188㎝・91㎏)は、9試合で平均25.2点、3.1リバウンド、3.8アシスト、1.7スティールとオールスター級の成績を残している。
23日に地元メディア『Philadelphia Inquirer』へ公開された記事の中で、マケインはマキシーとのガードコンビが機能している要因をこう話していた。
「僕らは2人ともハードにプレーしている。多くの試合でハードにやっていると思うんだ。このリーグでは、相手チームがミスマッチを突こうとしてくる。オフェンスのシステムを用いてね。だけど僕らが一生懸命プレーしている限り、屈したりすることはないよ」
そしてマケインは自身とマキシーのプレースタイルにも言及した。
「多くの選手たちは、(僕らみたいに)ハードにプレーしているわけじゃない。僕たちはすごく努力し、多くのエナジーを持ち込んでいる。それに僕たちは(ミスマッチで突かれようと)埋め合わせることができると思っているよ」
エンビードとジョージが本調子でない中、マキシーとマケインのガードデュオがしっかりと結果を残していることは、今後に向けて好材料と言っていいはずだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
「クソみたいな話は聞きたくない」KGが“連戦欠場”発言のエンビードに苦言「バスケットボールをするのが俺たちの仕事だ」<DUNKSHOOT>
プレシーズン全休のエンビードがケガ対策に言及「強いて言うなら、残りのキャリアで2連戦にはもう出場しないだろう」<DUNKSHOOT>
シクサーズとMAX額の延長契約を結んだエンビード「このコミュニティへチャンピオンシップをもたらす時」<DUNKSHOOT>