『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)の日本公開から20年の時を経て制作された「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ最新作となるアニメーション映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(12月27日公開)。本作のイベントが11月11日にワーナー・ブラザース映画内幸町試写室で開催され、主人公の王女、ヘラの声優を務めた小芝風花、同シリーズの大ファンであるLiLiCo、神山健治監督が登壇した。
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アカデミー賞最多受賞を果たした「ロード・オブ・ザ・リング」3部作には、200年に遡る戦いの物語があった。J・R・R・トールキンの原作「指輪物語 追補編」に記された始まりのエピソードを、3部作の監督、ピーター・ジャクソンの製作総指揮で、「東のエデン」「攻殻機動隊S.A.C.」の神山健治が監督した『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。この日、上映されたのは、新作と同じく“騎士の国ローハン”が舞台で、新作との重要なつながりを持つ『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』(02)だ。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの大ファンであるLiLiCo
まずは、実写映画シリーズ3部作の公開当時、プロモーションに勤しんでいたというLiLiCoは「世界中でプレミアが行われていて、一緒に飛び回ってほとんど日本にいなかった。キャストと仲良くなりすぎて、家族よりも会ってたくらい」と振り返り、「当日は本当に熱かったし、『ロード・オブ・ザ・リング』祭りだった」としみじみ語る。
公開当時4歳だった小芝は「今回吹替の役が決まってから観ましたが、映像の迫力がすごくて、大きいスクリーンで観たかったと思いました」と語った。神山監督は「公開当時はアニメの監督になったくらいのころ。大ファンで初日に観に行ったと思います」とファンの一面を垣間見せた。
『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』を手掛けた神山健治監督
ヘラ役に関して、小芝は「最初に話をいただいた時は即答しましたが、よくよく考えたらファンの方が多くいらっしゃる作品に私が参加してよかったのか不安に駆られました」と、当時の思いを明かすと、神山監督は「テレビなどで拝見していたけど、(小芝さんは)芯の強い方だと思って、そういう本人のパーソナリティは声に乗ってきます」とキャスティング理由を語った。
また、小芝は「ヘラはかっこいい女性。年齢ならではの弱さもありつつ、強さもあって。普段、演技をするようにアフレコすると人間の声になってしまうと思い、アニメの表情と声のテンションの違いを勉強しました」と事前準備に励んだそう。監督は「第一声からすてきだった」と賞賛し、LiLiCoも「声を聞かせてもらったら、すごく良かったです。まったく素人じゃない!」と太鼓判を押した。
その後、LiLiCoが吹替キャストとして本作に参加していることが判明。演じた役柄は、全部で4役だそうでLiLiCoは「居ても立っても居られず、一言でいいからと自分からやりたいと言いました!」と熱烈アピールしたと告白。
『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』の名シーンについてクロストーク
LiLiCoは「男の役でもいいから!って言ったら本当に来ちゃって。女性2人、大人男を2人だったんだけど、男役はできないかもって監督に謝ったくらい。でも当日、馬鹿力を出したら出ました!」とアフレコを振り返る。神山監督が「すてきでしたし、言わなければわからないと思う。それくらいうまく演じ分けていました」と絶賛すると、LiLiCoは「翌日、声出ませんでした」と笑う。
注目のシーンについて、小芝は「ウルフと戦うシーンは、各々に覚悟を決めての戦いに熱くなりました。負けたら国が滅ぶという覚悟がすごかったです!」と戦闘シーンについて語ると、LiLiCoはサルマン登場のシーンを挙げ、「『ロード・オブ・ザ・リング』につながるところがいい!知ってる世界がそこにあるのがすごく素晴らしくて」とコメント。
神山監督はヘルム王のシーンをピックアップし、「ヘルム王は原作では内面まで描かれてないけれど、映画のなかでどういった人間性だったかを掘り下げて描いている」と語ると、小芝も「ヘルム王の子どもたちに対する愛情がうるっときました」とうなずいた。
LiLiCoが声優として4役を務めたことを告白
イベント後半では、日本から世界へ挑戦する本作と絡め、各々の“年末までに挑戦したいこと”をフリップで披露。小芝は「ゲームのオーバークックに対戦機能があるらしく、妹にも進めて対戦しようって相談しているので、年内には一回対戦したい!現場でも要領が良くなるんです(笑)」と熱弁。
興味津々のLiLiCoは「ずっとゴラムの声をやりたいって言い続けているんだけど、いまはお互い忙しすぎるので、“(夫の)小田井(涼平)とチューかハグしたい”!オキシトシンを出すために2人でなにか一緒にしたい」と熱い夫婦愛を語った。神山監督は「“休憩”です。ここまで怒涛のキャンペーンもありつつ、やらなきゃいけないことがたくさんあって。休みも挑戦しないと取れないので」と明かすと、2人からは労いの言葉がかけられた。
3人でフォトセッション
最後に、小芝は「ファンの方はもちろん、シリーズを知っている方も知らない方も楽しめる作品なので、ぜひたくさんの方に広めてほしい」とめいっぱいアピールし、LiLiCoは「風景が実写じゃないかというくらい美しくて、監督に本当にアニメか疑ってしまうほどキレイ。ぜひ私を探してみてください(笑)」とメッセージを送る。
神山監督は「あの時の感動をもう一度体感してほしいと思ったし、それができなければアニメ化する意味がないと思った。文字通り、スタッフとともに命懸けで作りました。この作品1本だけでも完結するし、シリーズ作品としても楽しんでいただけると思います。こんなに早く観てほしいと思う作品はなかなかない。吹替版もぜひ楽しんでほしい」と熱い想いとともにイベントを締めくくった。
文/山崎伸子