11月22日から11月24日までの全国映画動員ランキングが発表。トップテンのうち6作品が前週から入れ替わるという大激戦のなかで、前週初登場No. 1を飾った「踊る」シリーズ最新作『室井慎次 生き続ける者』(公開中)が引き続きトップの座を守り抜いた。
■『室井慎次 生き続ける者』と『進撃の巨人』が好調をキープ!
前編『敗れざる者」に続き、2作連続でV2達成!累計興収は10億円を突破 / [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
公開2週目の週末3日間で観客動員14万3000人、興収2億2000万円を記録した『室井慎次 生き続ける者』。これで2部作の前編にあたる『室井慎次 敗れざる者』(公開中)につづいて2作連続での2週連続Vを飾ったことになり、累計成績では動員74万人&興収10億円を突破。すでに前編の段階で「踊る」シリーズの累計興収は500億円を超えており、着々とその数字を伸ばしているところだ。
こうしたタイミングで公式に発表されたのが、「踊る」シリーズの顔でもある青島俊作役の織田裕二が『室井慎次 生き続ける者』にサプライズ出演をしているという情報だ。これこそ『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(12)以来12年ぶりの「踊る」シリーズの再始動でファンが最も待ち望んでいた瞬間であり、一気に今後のシリーズの拡がりに期待が高まったことはいうまでもない。
青島と室井の“潜水艦事件”の写真がポストカードに!入場者プレゼントは11月30日(土)から配布へ / [c]フジテレビジョン ビーエスフジ 東宝
この発表に合わせて11月30日(土)からは、全国40万名限定の入場者プレゼントの配布が決定。この「室井慎次」2部作に深く関わっている大ヒット作『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(03)劇中の会話で語られ、そのエンドロールにも登場した“潜水艦事件”での青島と室井の姿を切り取ったポストカードが配布されるとのことで、往年の「踊る」ファンにとっては必携のアイテム。これで動員にブーストがかかり、前編に続く100万人の大台突破への足がかりとなるだろうか。
こうした入場者プレゼントを駆使したファン向けのリピーター戦略については、これまでも様々な作品で取り入れられてきたもの。今週も好調な成績で2位をキープしている『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』(公開中)も、公開初週から週替わりで入場者プレゼントの戦略を取り入れており、公開3週目となったこの週末はMAPPA描き下ろしによるリヴァイのビジュアルカードが配布されたことが大きく貢献。
『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』が前週超えの成績で2位をキープ / [c]諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
週末3日間で動員13万8000人という成績は前週比110%であり、1位の『室井慎次 生き続ける者』との差は前週から大きく縮まっている。当初は3週間限定の上映期間だったものが、累計興収8億円を突破する大ヒットとなっていることを受けて延長も決定。次なる入場者プレゼントの配布があるのかは定かではないが、次週末も『室井慎次』vs『進撃の巨人』の戦いが見られそうだ。
■『六人の嘘つきな大学生』や『海の沈黙』などがランクイン!
今週初登場を果たした作品で最上位の3位にランクインしたのは、累計発行部数65万部を突破した浅倉秋成の同名ミステリー小説を浜辺美波、赤楚衛二、佐野勇斗、山下美月、倉悠貴、西垣匠の共演で実写映画化した『六人の嘘つきな大学生』(公開中)。
浜辺美波、赤楚衛二ら共演の『六人の嘘つきな大学生』は3位スタート! / [c]2024「六人の嘘つきな大学生」製作委員会
誰もが憧れるエンタテインメント企業の新卒採用で、最終選考まで勝ち残った6人の就活生たち。全員での内定獲得を夢見てグループディスカッションに臨む彼らは、会議室という密室でたったひとつの内定の席を奪い合うライバルとなる。密室サスペンスと青春ミステリーの要素を掛け合わせ、怒涛の伏線回収で話題を集めた原作の持ち味が存分に落とし込まれた本作。初日から3日間の動員は10万8000人、興収は1億5600万円を記録。今後の伸びしろに注目しておきたい。
また4位にはWEST.の10周年記念ライブを収録した『WEST. 10th Anniversary Live “W” -Film edition-』(公開中)が初登場。WOWOWで放送された19曲に、新たに2曲を追加し舞台裏の様子も収録。本作も初週末3日間に入場者プレゼントが配布されており、次週末にも第2弾の配布、さらに一部劇場ではライブ会場さながらの熱気が味わえる応援上映も実施される予定だ。
【写真を見る】WEST.の10周年記念ライブがスクリーンに!会場の熱気を追体験できる応援上映の実施も決定 / [c]2024 WOWOW INC. / Storm Labels Inc.
倉本聰が36年ぶりに映画脚本を手掛け、本木雅弘が主演を務めた『海の沈黙』(公開中)は7位に、社会現象を巻き起こした『カメラを止めるな!』(17)の上田慎一郎監督が人気韓国ドラマをリメイクした『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(公開中)は8位に初登場。
さらに9位にはアニメシリーズの人気エピソードを上映する企画の第3弾『銀魂オンシアター2D 金魂篇』(公開中)、10位には『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第二章 赤日の出撃』(公開中)がランクインした。
以下は、1~10位までのランキング(11月22日〜11月24日)
1位『室井慎次 生き続ける者』
2位『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』
3位『六人の嘘つきな大学生』
4位『WEST. 10th Anniversary Live “W” -Film edition-』
5位『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』
6位『ヴェノム:ザ・ラストダンス』
7位『海の沈黙』
8位『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
9位『銀魂オンシアター2D 金魂篇』
10位『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第二章 赤日の出撃』
今週末は、藤井道人監督と横浜流星がタッグを組み同名サスペンス小説を映画化した『正体』(11月29日公開)、2021年に放送されるや大反響を巻き起こした短編ストップモーションアニメをCGアニメーションで映画化した『PUI PUI モルカー ザ・ムービー MOLMAX』(11月29日公開)などが控えている。
文/久保田 和馬