みなさま、シマイサキはご存じでしょうか?
大人気YouTubeチャンネル「へんな魚おじさんの寝言」でおなじみの「へんな魚おじさん」が運営する、全国各地の本当に美味しい逸品を扱うECサイト「へんおじの物産展」内の、未利用魚セット販売ページの参考写真にも掲載されているあの子です。
▲「へんおじの物産展」には可愛いお魚がいっぱい載っていてたまらないです。
先日行きつけの魚屋「海鮮市場マルモト」(神奈川県伊勢原市伊勢原1-3-37)の地魚(未利用魚)コーナーをのぞいた際にも
バッチリいました! 厚みのある魚らしい体型と、シマシマ模様が大変魅力的で目立っていました!
堤防釣りでは結構おなじみの子だし、定置網でも入るみたいなので、未利用魚界ではメジャーな存在なのかもです。
ただ味のほうは「ものすごく美味しい!!」という評価もあれば、「味がない、脂もない、たいしてウマくない。そして臭い」という声も多々あり賛否両論です。
果たしてどんなお味がするのでしょうか? 食べていきたいと思います(`・ω・´)
シマイサキ
シマイサキはスズキ目シマイサキ科の魚で、シマシマ模様がイサキの幼魚時代に似ていることから「シマイサキ」と名付けられたと言われています。
似てるっちゃ似てるけど、う~ん。
▼シマイサキ
▼イサキの幼魚(うりぼう)
なお形や模様が似てるだけでシマイサキとイサキは全く別の種です。
ちなみにイサキの幼魚は激安なのに美味しい(https://getnews.jp/archives/3541920[リンク])のでとてもおススメです。
シマイサキは海域だけでなく汽水域(淡水と海水が混ざり合った塩分濃度の中間的な水域。川が海に注ぎ込む地点・河口部などのこと)にも生息します。
汽水域で釣れたシマイサキには「異形吸虫」という下痢・腹痛などを引き起こす寄生虫がいる可能性があるますので、生食はやめたほうが良いでしょう。
シマイサキを捌く
シマイサキはイサキ並にヒレが鋭く強靭なので、まずは背ビレ、腹ビレ、尻ビレをハサミでカットしました。
エラのところにも鋭いトゲが擬態して隠れているので注意です!! 特に釣り上げて暴れてる時にうっかり触るとスパーーーーンと手を切られそうです!
あとは普通に3枚におろします。厚みがあり身がしっかりしているので、初心者でも捌きやすいです!
シマイサキは鮮度落ちが早い&うま味に乏しいと評判なので、本当に鮮度落ちは早いのか? 寝かせたらうま味を引き出せるのではないか? を確かめるべく、今回はエラと内臓だけ取った後、キッチンペーパーに包んで4日間冷蔵庫で寝かせてから頂くことにしました。
▼4日寝かせた後のシマイサキの切り身
確かに血合いが濃く黒ずんでいるように見えますが……え、でも全然キレイじゃない? 何よりも脂がのっててすんごい美味しそう!
ということで実食です。刺身と塩焼きで食べてみたいと思います。
シマイサキの刺身
透明感のある美しい身に血合いの濃い赤が映えて、見た目は新鮮でとても美味しそう!! では頂きます(。・н・。)パクッ
えっ!! 普通に美味しいじゃん!?
確かにうま味は薄いです。4日寝かせても味がしないので、本当にもともとうま味が少ない子なのだと思います。
が、脂がすっごい!!!! めちゃくちゃ脂がのってて甘い!!!! クセも臭みも全然ない!
脂の旨さと甘えびのような濃厚でネットリとした甘みがすごいから、うま味の薄さは気になりません!
何よりも食感がすごい!!!! 野締め個体を4日寝かせているのに、締めたての魚よりもコリコリサクサクと締まった歯ごたえをしています!
これだけ弾力のある魚はちょっと珍しいんじゃなかろうか?
ハード食感の刺身が好きな人にはたまらない魚だと思います!!
食感や脂のノリ・甘みともにニザダイに似てます。磯臭さの全くないニザダイがいたらこんな感じだろうなと思います。
今回寝かせた結果だと、鮮度落ちが早いのは色味の部分だけで、腐敗が早いという訳ではなさそうなので、次に入手した際はうま味を補うために昆布締めを試してみたいですね!
シマイサキの塩焼き
ウロコを付けたままで塩焼きにしてみました。
!!!!!! 焼いたらうま味がしっかり出てきた!!!!!!
甘く上品でクセのない美味しさはそのままで、そこに皮目のワイルドな香ばしさとうま味が加わり、「これこれ! 焼き魚ってこういう味!!」という「THE焼き魚」な美味しさです。
これはウロコや皮目に美味しさが詰まっているタイプの魚ですね。
皮は厚くて硬いので噛みきるのが大変ではありますが、その皮のおかげで蒸し焼きになり、身が柔らかくふわふわな食感に焼きあがりました。
味はシシャモに似てるかしら? 特に尻尾側の身にうま味が詰まっていて美味しいと思います!
シマイサキの評価
星3.5
刺身も焼き物も美味しかったので、星4にしようか迷いましたが、刺身だとシマイサキ独特のハード食感は好き好きが分かれることと、独特の匂いがしたり脂が全くない個体も多くおり、時期や地域によって味にかなりバラつきがありそうなので星3.5にしました。
でも、逆に脂もうま味もたっぷりな絶品超当たり個体もいるみたいなので、「今日のシマイサキはどんなかな?」とワクワクしながら食べる楽しみもある魚だと言えますね。
食味を調べたり実食した結果、「シマイサキは皮にうま味がたっぷりある」という意見は大体共通しているので、刺身で食べる場合は霜皮造り(皮に熱湯をかける)や炙りにし、焼いたり揚げたりする場合はウロコつきのまま調理するのが良さそうです。
クセがなく上品で食べやすいし、調理法次第ではまだまだ化ける可能性を秘めている魚ですので、見かけたらみなさまもぜひ食べてみてください!
※画像引用:「へんおじの物産展」画像引用元URL:https://henoji.theshop.jp/items/90932246[リンク]
※その他画像は全て筆者撮影
海鮮市場マルモト
https://www.0-to.com/[リンク]
へんな魚おじさんの寝言
https://www.youtube.com/channel/UCDJ_L7aJsijdUKXQgy7GXhA[リンク]
へんおじの物産展
https://henoji.theshop.jp/[リンク]
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
https://x.gd/BrG4y[リンク]
TSURINEWS
https://tsurinews.jp/213094/[リンク]
異形吸虫症および近縁吸虫による感染症
https://x.gd/AgF5j[リンク]
(執筆者: ゆずくん)