〈斎藤知事・公選法違反疑惑〉“広報”女性社長は「一度もやったことない」のに兵庫県eスポーツ検討会委員に選ばれていた…彼女を選挙カーに上げた理由を聞かれた知事は仰天回答

「eスポーツをしたことがない」けど「eスポーツ検討委員会メンバーに」

折田氏はnoteに「2021年より兵庫県地方創生戦略委員」「2023年より兵庫県空飛ぶクルマ会議検討委員」の地位にいると書き、斎藤知事の1期の県政と関係を強めてきたことが分かっている。

このうち空飛ぶクルマに絡んでは、2023年1月に県の関連新規事業が報じられた際、内容を了承していたはずの斎藤知事が「空クルは知事直轄。勝手にやるな」と担当者を叱りつけたとの証言があり、同事業の背景に何かあるのではと関心が向いている。

さらに折田氏はもう一つ、県に絡む役職を担っている。noteには「2022年より兵庫県eスポーツ検討会委員」とも書かれているのだ。
これに関し、折田氏が驚くような“告白”をしていることが分かった。

「折田氏はeスポーツ検討会委員に就任した後の2023年1月、インスタグラムに、ある企業からeスポーツの機会を提供してもらったことを喜ぶ投稿をしているのですが、なんとそこに『私兵庫県のeスポーツ検討委員会メンバーなのに実は…eスポーツをしたことがない』と書いているんです。一度もやったことがない人が検討会でどんな意見を出せるんでしょうか」(在阪記者)

自分が書いていることが何を意味するのか分かっていないという点では、今回のnoteに近いものがありそうだ。今起きている“大事故”は、2年近く前に予兆が出ていたともいえる。

「いずれにしても、折田氏が第1期の斎藤県政でなぜ複数の審議会のメンバーに選ばれたのか、検証が必要でしょう」と県政界関係者は話す。

斎藤氏の代理人は近く記者会見を開く予定で、ポスター制作を発注しただけだとする折田氏が選挙カーに上がれた理由の“回答”もその時までには準備されるのかもしれない。

一方のmerchu社はホームページから業務実績だけでなく電話番号や会社所在地も消し、折田氏のnoteの内容を説明する気配がない。25日月曜日、記者はmerchu社を訪れたがドアの鍵は閉められ人の気配はなかった。

折田氏のnoteにより、今回、日本の選挙でおそらく初めてSNS広報戦略の内幕が明らかになった。斎藤陣営には、「やったのは自分たちだ」主張する前に、折田氏との間に本当は何があったのか詳しく説明してほしいとの声も出ている。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班