30年温泉を研究している風呂博士に聞いた「良い温泉9選」/ マニアに愛される秘湯、日本最大級の総檜風呂など

・伊豆の踊り子の宿福田家 / 湯ヶ野温泉・静岡伊豆

後藤康彰さん的ポイント「温泉と言えば文豪。文学好きの方は湯ヶ野温泉もオススメですね。『伊豆の踊子』の舞台となった温泉で、川端康成氏が学生時代に逗留した際の出来事が、物語のエピソードになったとされています。裸の踊子が河畔の露天風呂に飛び込むのをみかけた部屋、それが福田家さんの2階の『踊り子1号』です。

名物は本館地下に位置する名物・榧(かや)風呂で、さっぱりした湯ざわりの硫酸塩泉をかけ流しで楽しめます。昨年、踊り子1号に宿泊する機会をいただきました。名物のお部屋なので外からバシバシと写真を撮られるので、フォトジェニックでないおじさんは日が暮れるまではお風呂でゆっくり。

物書きのはしくれとして、何か良い文章がかけるのではないかと広縁に腰かけてPCでなく鉛筆を持ってみましたが、筆はまったく進まず(汗)。福田家4代目女将の稲葉照子さんは川端氏を車に乗せて伊豆と東京を行き来した方で、お会いできれば面白エピソードを聞かせていただけます」

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・梅薫楼 / 梅ヶ島温泉・静岡

後藤康彰さん的ポイント「とろとろと溶けたい方は『梅ヶ島温泉』でふやけるのも良いでしょう。静岡駅から安倍川最上流にさかのぼること車で約70分、対向車が来るとすれ違うのも難しい細い山道を進むと現れるのが、温泉マニアに愛される秘湯『梅ヶ島温泉』です。

源泉は湯之神社pH9.6のアルカリ性・硫黄泉はとろとろですが、是非、源泉そのままな梅薫楼の小さな檜風呂『金の湯』をお試しいただきたい。

ふわっと硫化水素が香るぬるめの源泉は、浸かると肌に1㎝ほどのベールを全身にまとったような湯ざわり感覚で、とにかくとろっとろ。いつまでも入っていたくなること間違いありません。ランチは湯之神社そばの湯元屋で、静岡おでんや鹿のタタキ、猪串、こんにゃく刺しも楽しめます」