現地時間11月25日(日本時間26日、日付は以下同)、デトロイト・ピストンズはホームのリトルシーザーズ・アリーナでトロント・ラプターズと対戦。8点ビハインドで迎えた最終クォーターに反撃を仕掛け、同点で迎えた最後のオフェンスでジェイデン・アイビーがブザービーターのフローターを沈め、102-100で劇的勝利を掴んだ。
連敗を3でストップしたピストンズはアイビーが25得点、5リバウンド、8アシスト、マリーク・ビーズリーが14得点、5アシスト、ジェイレン・デューレンが13得点、12リバウンド、4ブロック、トバイアス・ハリスが12得点、ティム・ハーダウェイJr.が10得点をあげた。
今季キャリア3年目のアイビーは、ここまで18試合の出場で平均18.4点、4.7リバウンド、4.4アシストに3ポイント成功率37.2%(平均1.8本成功)を記録。得点とリバウンド、3ポイント成功率は自己ベストの数字だ。
25日に米メディア『Sportskeeda』へ公開された記事の中でアイビーは、「僕らは今、チームでまとまろうとしている最中なんだ。(今オフに)複数のトレードで(ロスターに)変化もあった。でもこのグループはお互いのことを信頼しているんだ」と語っていた。
昨季フランチャイズワーストの14勝68敗(勝率17.1%)に終わったピストンズは、シーズン終了後に2023年オフに6年契約を結んだモンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)をわずか1年で解任。後任にはクリーブランド・キャバリアーズをプレーオフチームへ育てあげたJB・ビッカースタッフが就いた。
エースのケイド・カニングハムが23歳、アイビー22歳、デューレン21歳、1番の古株であるアイザイア・スチュワートでも23歳と主力に若手が多いこともあり、オフの補強では13年のNBAキャリアを持つハリス、同11年のハーダウェイJr.、同8年のビーズリーを獲得して経験をプラス。
今季のチームで平均2桁得点をマークしているのは5人。カニングハム(23.5点)とアイビー(18.4点)、そして新加入のビーズリー(15.6点)、ハリス(13.9点)、ハーダウェイJr.(10.5点)と続く。
ガードデュオを支えている3選手の働きをアイビーは次のように称えた。
「素晴らしいベテラン陣が、フロアのスペースを広げてくれている。最高だね。僕らはチームとして成長するにつれて、さらに良くなっていくだろう。彼らはコンスタントにシュートを決めてくれるし、彼らの存在は(チームに)大きな違いをもたらしてくれるんだ」
25日終了時点で、ピストンズは8勝11敗(勝率42.1%)でイースタン・カンファレンス9位。ディフェンシブ・レーティングは昨季のリーグ25位(118.0)から同12位(111.9)、ネットレーティングも最下位(-9.0)から同18位(-1.3)と改善された。
シーズンはまだ60試合以上残っているが、昨季は19試合を終えて2勝17敗(勝率10.5%)だったことを考慮すると、カニングハムとアイビーのガードデュオを中心に、チームは着実に成長していると言っていいだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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