今季のデトロイト・ピストンズは開幕4連敗とスタートは鈍かったものの、そこから8勝7敗と持ち直し、現地時間11月25日(日本時間26日、日付は以下同)時点で8勝11敗(勝率42.1%)でイースタン・カンファレンス9位につけている。
チームのエースを担うのは2021年ドラ1のケイド・カニングハム。23歳の司令塔は17試合中4試合でトリプルダブルを達成するなど、平均23.5点、7.2リバウンド、8.9アシストとオールラウンドな働きを披露している。
また、相棒のジェイデン・アイビーのパフォーマンスもここまで勝利を重ねられている要因のひとつだ。
2022年のドラフト1巡目5位で入団した193cm・88㎏のスコアリングガードは、今季18試合の出場で平均18.4点、4.7リバウンド、4.4アシスト、3ポイント成功率37.2%(平均1.8本成功)をマーク。
11月17日のワシントン・ウィザーズ戦でシーズンハイの28得点を奪うと、カニングハムが欠場した25日のトロント・ラプターズ戦では25得点、5リバウンド、8アシスト、同点で迎えた終盤にブザービーターを決めて勝利の立役者となった。
アイビーは25日『Sportskeeda』へ公開された記事で、結成3年目を迎えたカニングハムとのコンビについて次のように語っていた。
「僕らのケミストリーは最高さ。一緒にいること、それにプレーするのが大好きだからね。彼はみんなのゲームをものすごく楽にしてくれる。このまま良い関係を構築し続けることができれば、一緒にエキサイティングなことを達成できると思うんだ。
(自分たちの)ポテンシャルは無限大なんだ。ケイドはオールスターレベルだし、これから先リーグのトッププレーヤーの仲間入りもするだろう。(一緒にプレーした)初日から、コートを共有する僕たちの能力は特別なものだった。僕らには歴代ベストのバックコートになれる才能があると信じている」
ピストンズが最後にプレーオフに進出したのは2019年で、以降はポストシーズンとは無縁のシーズンを送っている。とりわけ現体制となった過去2年は一昨季が17勝65敗(勝率20.7%)、昨季が14勝68敗(勝率17.1%)と惨敗。
個人スタッツは悪くないものの、自身の活躍が勝利に直結していないカニングハムとアイビーがリーグ有数のガードデュオになるためには、まだ多くの時間を要するだろう。
ピストンズの歴史を振り返ると1989、90年の連覇時はアイザイア・トーマス&ジョー・デュマース、2004年の優勝時はチャンシー・ビラップス&リチャード・ハミルトンと、いずれも強力なバックコートデュオを擁していた。
はたしてカニングハムとアイビーは偉大なOBのようにチームを頂点に導くことができるのか。その第一歩として、今季はプレーイン争いに参戦したいところだ。
文●秋山裕之(フリーライター)
「お互いを信頼しているんだ」ピストンズのアイビーが新加入のベテラン3人を称賛「大きな違いをもたらしてくれる」<DUNKSHOOT>
NBA開幕戦でまさかの珍事。「コート上に選手が6人」でテクニカルファウル→ピストンズが逆転負け<DUNKSHOOT>
3年前の“ドラ1”カニングハムが名門復活へ意気込み「デトロイト・バスケットボールに自分の時代を作り上げたい」<DUNKSHOOT>