レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、マックス・フェルスタッペンが4連覇を果たす上で、マクラーレンの復活に直面した9月のイタリアGPが最も危機感を感じたレースだったと振り返った。
レッドブルのRB20はシーズン序盤、開幕から5戦4勝を記録する最強マシンであり、22戦中19勝をマークしたフェルスタッペンがF1の支配を続けるのではないかと見られていた。
しかし、5月のマイアミGPでレッドブルのF1支配は終わりを告げ、チームはマシンバランスに苦しみ始めた。同じ週、マクラーレンは包括的なアップグレードパッケージで飛躍を遂げ、ランド・ノリスがグランプリ初優勝を飾った。
フェルスタッペンもその後の4戦で3勝をマークしたものの、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスが上位争いに加わるようになった。レッドブルはセルジオ・ペレスが振るわず、フェルスタッペンの1馬力ではコンストラクターズタイトルを争えずにランキング3番手に後退。フェルスタッペンをもってしても勝てないようになり、雨のサンパウロGPで大逆転勝利を果たすまで、10戦の間勝利から遠ざかった。
序盤戦の貯金もあり、F1ラスベガスGPでランド・ノリス(マクラーレン)に残る2レースで逆転不可能なギャップを築き、4連覇を決めたフェルスタッペン。チーム代表のホーナーは、レッドブルがこれまでで最悪の週末を過ごした9月のイタリアGPまでに、フェルスタッペンのシーズンが崩壊してしまうのではないかと危惧していたことを認めた。
1年の70%は、レッドブルが最速のマシンではなかったというフェルスタッペンの評価に同意するかどうか尋ねられ、ホーナー代表は次のように答えた。
「それは正しいと言えるだろう。マイアミが、ターニングポイントだと考えている」
「マシンはとてもドライビングしにくかったが、彼は順応し、最大限の力を引き出すことができた。その後のレースで我々は改善できたと思う。だがモンツァの頃は、チャンピオンシップが手からこぼれ落ちているように見えた」
「まだチャンピオンシップは長い道のりが残っていて、マクラーレン、フェラーリ、そしてメルセデスにさえもかなり不利な状況だった」
フェルスタッペンが優勝したシャルル・ルクレールから38秒遅れの6位でフィニッシュしたモンツァでのイタリアGPは、フェルスタッペンにとってコース上での最低リザルトとなったが、RB20のバランス問題を解決するきっかけにもなった。
レッドブルがマクラーレンを上回ることはできなかったが、フェルスタッペンとチームはノリスの反撃を抑えるのに十分な進歩を遂げることができた。
「エンジニアたちはたゆまぬ努力を続け、裏方たちは長時間、早朝、週末を費やしてマシンにパフォーマンスを与え続けてきた」
「私としては、ターニングポイントはオースティン(アメリカGP)で、スプリントレースで優勝し、グランプリのフロントロウを獲得し、3位表彰台を獲得したことだ。そしてもちろん、ブラジル(フェルスタッペンが17番グリッドからウエットレースを制したサンパウロGP)は多くの点で最高の瞬間だった」