受信機不要、マイクをダイレクトにBluetooth接続。この仕様が本命だろう
Mic Miniの最大の特徴は、受信機を介することなく、スマホやDJI製のカメラに接続できることだ。ただし、対応機種と対応アプリである必要がある。
スマホ接続ではBluetooth接続することで、スマホから外部マイクとして認識でき、スマホの動画アプリや録音アプリで収録可能だ。ただし、iPhoneでは標準のカメラアプリではマイクとしては認識できず、DJIが公表している対応アプリでのみ利用可能だ。
一方、Osmo Action 5 Pro、Osmo Action 4、およびOsmo Pocket 3は、受信機を介さずにダイレクトにカメラと送信機が接続できる。使い方としては、これまでのMic2とほぼ同じで、ノイズリダクションのオンオフなどもカメラからコントロール可能となる。また、バッテリー残量もカメラから確認することができる。
ケーブルレスかつ受信機不要での撮影は、非常に楽だし機動力が高い。
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音質は必要十分かつ、扱いやすい音圧になる
さて、実際にレビューしていこう。まず、サイズは十分に小さく軽い。ウインドジャマーも標準で付属しており、ワンタッチで脱着可能で扱いやすかった。しかも、薄い灰色と真っ黒の2種類(合計4つ)が標準で付属しているのは非常にありがたい。LARK M2のウインドジャマーはマイク全体に被せる袋式になっており、現場では取り付けに難儀することもあるのだが、その点ではMic Miniは全く問題ない。
衣服への取り付けは送信機のクリップで行うか、付属の強力なマグネットで衣服の裏から挟んで留めるかが選べる。これはMic2と同じだ。Mic2に比べると1/3くらいの大きさに感じる。ただし、送信機全面にDJIのロゴが大きく描かれており、見た目を気にしなければならない企業向けPR動画(VP)では何らかの方法で隠す必要がある。この点ではM2は着せ替えシールがあり便利だ。
一方のノイズリダクションだが、「強」と「ノーマル」の2つがあり、「強」はDJI Mic2のノイズリダクションと同等と言っていいだろう。背景音にもよるが、ノイズを引いた分だけ音のアタック(立ち上がり)やリリース(音が消えてゆくまで)が不自然になることがある。だが、背景音に負けずに人の声をきちんと切り出してくれるので、使える音質だと評価できる。
「ノーマル」は、普通の部屋のエアコンなどの小さな背景音に効果的な押さえ気味のノイズリダクションになっている。「強」との違いは背景音を引く量だけだろう。通常の室内ではノーマルにしておけば、ほとんど不自然さがない音にしてくれる。
使い分けとしては、ノイズが気になるならノイズリダクションを入れることになるわけだが、普通の室内は「ノーマル」、電車や自動車の中なら「強」にすれば良いだろう。
どちらの設定にせよ、一定の定常的なノイズを検出(学習)して引いてくれる。例えば工場の操業音のような一定の音は効果的に消してくれる一方で、飛行機や自動車の通貨音は、それなりに残してくれる(もちろん、レベルは下がる)。
筆者の場合、ノイズリダクション搭載のプロ用レコーダーを使っているが、SoundDevices社のMixPre-6IIの場合には、1dB単位でノイズの軽減量を調整可能で、背景音の大きさや質に応じて調整する。そこまではできないものの、Mic Miniの2段階でも、かなり音質低下を防げるのでありがたかった。