ピンク・レディー (C)週刊実話Web
現代も「共演NG」といわれる俳優やタレント同士は多いが、昭和の時代はもっとバチバチだった。当時「犬猿の仲」とウワサされたオンナたちのバトルを再現する!
【昭和57年5月13日号掲載『ああ新・犬猿の仲』年齢・肩書等は当時のまま(一部表現を訂正した箇所があります)】
【関連】ピンク・レディーが稼ぎ出した莫大なカネはどこに消えたのか〜昭和・平成「芸能暗黒史」その4 ほか
「二人とも、相手の話をしていても『あ、ソォ』というぐらいで、ぜんぜん乗ってこないですね。なにか相手がケムたいような感じで。解散してからも、まず二人で話したというのはないのじゃないかな」(芸能カメラマン)
『昨日の敵は今日の友』という言葉がある。
これが、芸能界になると“昨日の友は今日の敵”という言葉が大手を振ってまかり通るのだ。
この例えにぴったりくるのが、一年前に解散したピンク・レディーのミーとケイだ。
「夫婦が離婚すると、これほど敵にまわして恐ろしいものはいないといわれる。知りすぎるほど相手の肉体も心も知っているからで、長い間のコンビにも同じことがいえる。ミーもケイも相手の手の内を知っているだけに、陰気に、こもった争いになっているんだ」(スポーツ紙芸能デスクK氏)
「スズメの勝手でしょ」
昨年4月以来、ミーとケイの活動ぶりは完全に分かれた。
ミーはポップスを歌いながら、大胆なコスチュームでお色気派に転向。3月20日から4月15日までの1カ月、東京・紀尾井町のホテル・ニューオータニの「クリスタル・ルーム」で長期のショーに主演した。
この時のミーは、ひときわお色気発散のステージ展開。大胆な衣装で迫りまくったものだが、これを伝え聞いたケイが知人にこういったというのだ。
「そこまでやらなくてもいいのにねえ。やりすぎよ」
これがミーに伝わり、怒った口調でいい返す展開に。
「何よ、ひとのことをとやかくいう必要ないのに。自分はなんなの。『すずめ』のヒットだって偶然でしょ」
すると、それを聞いたケイは、こんな切り返しをしたといった話も伝わってくる。
「いいじゃないの。なんといおうとスズメの勝手でしょ。たいしたことないわ」
ケイには、『すずめ』の歌でヒットし、歌手として再認識されているという自負がある。
だが、ミーには、解散、独立後に歌のヒットがない。
それだけでもケイにとっては「ザマアミロ」といった意識があるはずだ。
二人は表面には出さなかったが、ピンク・レディー時代から仲はよくなかったという。
「どちらかというとミーはむっつり型なんだな。よくしゃべるのはケイのほうで、インタビューなんかも、ケイが一生懸命しゃべっていた。だから出しゃばりに見えて、ミーは控え目なのでいつも好印象を与える。これが、ケイには面白くない。よく内輪モメしていたのも、そのせいだ」(某テレビ局ディレクターA氏)
解散が決まった時、大よろこびしたのはケイだった。
「ひとりになるのが、よっぽどうれしかったんでしょうね。ケイは、カレンダーに毎日毎日、マジックペンで印をつけ、『あと何日』『あと何日』とつぶやいていたくらいですから」(ケイの友人)
解散後、表面的には、あれほど仲のよかった二人が、電話もかけなくなった。
しかも、こういい合っているという。
「電話をかけたってしょうがないでしょ」
「生きていく道が違うんだから」
まさしく“昨日の友は今日の敵”なのだ。
先日、ケイと野口五郎の間で『恋の再燃』『婚約発表か』と騒がれた時、親しい芸能記者に「ミーは、どう思う?」と聞かれ、バカにしたような口調で吐き捨てたらしい。
「まだ、そんなことで騒がれているの? もう卒業したと思ったのに…」
一方のケイも、ミーとの別離の感想を聞かれ、こういったとか。
「今はひとりになって、つくづく気がラクになりました。ヘタに歌うと、ミーの足を引っ張っちゃうようで、いつも気にしてました。踊りもそうでした。今は自由気ままに、なんでも出来るし…」
(広告の後にも続きます)
互いに「顔も見たくない」
あるテレビのプロデューサーが、解散1年を記念して、ミーとケイの共演番組を企画したが…。
「それぞれに出演交渉したら、ニべもなく断わられましたよ。お互いに『顔も見たくない』っていうんですから。世間でいわれる犬猿の仲以上に二人の間は深刻なんだなと、わたしはつくづく肌で感じましたよ」
某タレントも、こう証言する。
「ミーとケイの仲がどうの、といえば、この前首相官邸に芸能人やスポーツ選手などが招待されたとき。あの二人が、なつかしそうに話すシーンは見かけなかったなあ」
しかし、二人をよく知る女性タレントは「犬猿の仲というのは、ちょっとオーバーでしょう」と反論するのだ。
「この前、ケイちゃんにフジテレビで会ったら、『ミーからショーの招待券を送ってもらったの』といってニコニコしていましたもん。仲が悪かったら、招待券なんか送ってくるもんですか」
本当は、どっち?